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ゲームファンが大注目する対戦格闘ゲーム『ドラゴンボール ファイターズ』クリエイター独占インタビュー

8/10(木) 17:33配信

ファミ通.com

●開発のキーマンにインタビュー
 2017年6月にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたエレクトロニック エンターテインメント エキスポ(以下、E3)で大々的に発表され、全世界から注目を集める対戦格闘ゲーム『ドラゴンボール ファイターズ』を手掛けるクリエイターのインタビューをお届け。本作のキーマンとなる、バンダイナムコエンターテインメントの広木氏とアークシステムワークスの本村氏に、本作の気になることをインタビュー形式で伺った。『ドラゴンボール』ファンと対戦格闘ゲームファンの両方からの話題を集めている本作の、ゲーム開発秘話をバッチリ掲載。未公開の情報のヒントも!?

●予想外の反響にクリエイターも驚愕!?
――本作が大々的に発表されたのはE3でしたが、そのときの反響や手ごたえはどのように感じられましたか?

広木氏(以下、広木) 正直に言うと、ここまでの反響があるとは!? と驚いています。

本村氏(以下、木村) 私も、海外で『ドラゴンボール』はとくに人気があるということは知っていましたが、ここまでとは想像していませんでした。

――『ドラゴンボール』ファンの方はもちろんですが、対戦格闘ゲームファンの方も注目しているというのが印象的でした。

広木 『ドラゴンボール』ファンの方には絶対に振り向いてほしいというのはもちろんありました。キャラクターゲームとしてはもちろんですが、対戦格闘ゲームとしても本格的なものを作りたいというのもコンセプトのひとつになっています。対戦格闘ゲームが好きなコアゲーマーの方にも注目していただければという思いでしたが、両方のユーザーの方からの支持をいただけているようで、非常にうれしいです。

本村 原作そのものが格闘を題材にしているものなので、格闘に憧れがあって、そこから対戦格闘ゲームを遊び始めた人も多いのではないかと思っています。格闘ゲームが好きな人の多くは、少なからず『ドランゴンボール』に影響を受けているのではないでしょうか。

広木 E3の会場では試遊台を設けたのですが、会場がオープンした直後から本作のプレイに並んでいただいた方もいたみたいで。プロモーションムービーや試遊台で登場させるキャラクターは6人と決めていたのですが、この選定はかなり難しかったです。

――と、言いますと?

広木 『ドラゴンボール』は歴史が長いので、たとえばこのキャラクターが出ます! と情報を公開しても話題になり辛いだろうなと思ったんです。そのため、変化球なキャラクターを出すよりは、原作のなかでも人気が高い主役級のキャラクターを出そうということになりました。

――その作戦が功を奏してかなり話題になりましたし、E3では複数の賞を獲得していますよね。海外メディアからの評価も非常に高いようですが、そのあたりはいかがでしょうか。

広木 ユーザーさんはもちろん、メディアの方にも興味を持っていただけているのは、映像のインパクトがあったからだと思っています。滑り出しとしては、かなりうまくいけたかなと思います。

本村 e-sportsというものが注目されてきて、盛り上がっているさなかに新タイトルが発表されて、題材が誰もが知っている『ドラゴンボール』ですから、話題性があったのではないでしょうか。広木さんらバンダイナムコエンターテインメントさんと我々で進めてきた方向性は間違っていなかったんだと、あの反応を見て確信しました。

広木 本作が発表されたときに会場から歓声が沸いたときはガッツポーズものでしたね。アークシステムワークスさんは日本にいたのですが、「アークさん見て!」って心のなかで思いました(笑)。

――おふたりにはこみ上げるものがあるであろう本作ですが、企画はどのくらいの時期からスタートしていたのでしょうか。

広木 過去には、『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』というタイトルを弊社とアークシステムワークスさんで開発しました。ニンテンドー3DSのこのタイトルはどちらかというとキッズ向けに開発していたので、つぎは本格的な対戦格闘ゲームを作りたいと思っていました。そのお話をアークシステムワークスさんに持ち込みまして、快諾いただいたという経緯があります。

――『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』に続くタイトルで、ということですね。

広木 もともとアークシステムワークスさんは『ギルティギア イグザード』のようなアニメ表現を使ったゲームや、『ブレイブルー』のようなドット絵の最高峰に立つゲームを作っています。それらの開発力を活かして、つぎは2.5Dという表現になるグラフィックのゲームをと。

――本村さんは、『ギルティギア イグザード』シリーズの開発をされていたのでしょうか?

本村 そうです。『ギルティギア イグザード』ではテクニカルアーティスト兼リードモデラーとして、ゲームのグラフィック開発を担当していました。

広木 本村さんとは、ニンテンドーDSの『ドラゴンボールZ 舞空闘劇』からバンダイナムコグループとお付き合いがあったんです。その蓄積や信頼関係があったので、お話もしやすかったですね。『ギルティギア イグザード』を拝見させていただいて、この内容で『ドラゴンボール』を表現したいと。

――ちなみに、テストとして最初に作られたキャラクターは誰だったでしょうか?

本村 悟空ですね。でも、最終的に完成を迎えるまでに、悟空がいちばん開発に時間がかかりました(笑)。原作があるゲームは、キャラクターをしっかりと似せないといけません。長いこと、ああでもない、こうでもないと言いながら、グラフィックがやっと形になった感じです。

――本作は3Dで作られたキャラクターが2Dのフィールドで戦う2.5Dと銘打っていますが、その名のとおり、まるでアニメのキャラクターがそのままゲームのなか動き出したのが、映像を観て驚きました。

本村 3Dのキャラクターは、どの角度から見てもカッコいい姿にするというのが、非常に難しいんです。ですが本作は、必殺技などの演出のときだけカメラが動くスタイルなので、調整がしやすいという利点があります。バトル中にプレイヤーが見る範囲ではどのカットでもキャラクターが最高にカッコよくなるように、ひとコマひとコマしっかりと調整をして、原作に近い顔や姿になるようにしています。

広木 『ドラゴンボール』の3Dのゲームは弊社でも多く発売してきましたが、アニメ的な表現のゲームというのは最近あまりなかったんです。『ドラゴンボール』はアニメ作品でもあるので、ゲームのアニメ表現の進化系として作ったら、新しいゲームをユーザーさんにお届けできるだろうと。

――超必殺技に相当する技はどれもカメラが動いたりと派手ですが、演出はどのように決めているのでしょうか。

本村 弊社でまず絵コンテを書き、一度仮組みをして、それにオーケーが出れば作り込んでいくという流れですね。絵コンテは、原作にあったシーンを意識したものを採用しています。原作を見て改めて思ったのが、とにかくスケールが大きいということ。その印象が作り手側にもありますし、ファン側にもあると思うので、どうやったらそのスケール感を表現できるかというのは、かなり試行錯誤しました。

●参戦キャラクターは? ステージ数は?
――つぎにゲームの中身についてのお話もお聞きします。本作が3対3で戦うということは最初から決まっていたのでしょうか?

本村 そうですね。3対3というのは最初から決めていました。

広木 『ドラゴンボール』では、たとえば悟空とクリリンは原作では悟空のほうが強いという設定ですよね。そのキャラクターが1対1で闘ってどちらも勝つ可能性があるというのは、ゲーム的には正しいですが、原作的にはありえないですよね。そこで、本作は3対3にして、個々の実力ではなくチームワークで勝利するというほうが違和感がないと考えたんです。ちなみに、クリリンは仙豆を使って味方を回復できるといった能力もあります。そういった要素で強さを表現できればと。

本村 原作でも1対1だけじゃなくて味方と協力して敵を倒すというシチュエーションも多いですし、こういった闘いかたもまた、『ドラゴンボール』らしいですよね。

――いろいろなキャラクターが入り乱れるわけですが、特定の組み合わせでマッチングすると特殊な演出が観られることはありますか?

広木 E3の試遊台には入っていませんが、特定のキャラクターからキャラクターへ交代するときに専用のセリフで呼びかけたり、特定の敵に対してボイスが変わるとか、そういった要素はあります。

本村 どの組み合わせで、というのは製品版をお楽しみにしていただきたいです。

――現在は9キャラクターほど公開されていますが、登場キャラクターについてもユーザーは気になるところだと思いますが。

広木 今後はVジャンプさんからドンドン公開されていきますので、そちらにご注目いただければ。

――参戦キャラクターを決める会議は、楽しいそうな反面、たいへんそうだと予想するのですが。

本村 キャラクターはかなり考えました。対戦格闘ゲームとして個性のあるキャラクターであるというのも重要ですが、原作のファンも多いので、皆さんに納得していただける人選でないといけませんから。キャラクターの選定は終わったけど、やっぱりこっちを出したい、でもあっちも……ということもありました(笑)。

広木 本村さんがおっしゃったように、対戦格闘ゲームとしておもしろくないと意味がないので、単純に原作で人気が高いキャラクターから順番に、という基準だけで選んではいません。

――原作ですと、背の大きいキャラクターから小さいキャラクターまでたくさんいますが、対戦格闘ゲームとして考えると、体格を考慮してバランスを取るのは難しかったのではないでしょうか。

本村 実際の格闘技ですと体が大きいほうが有利ですが、対戦格闘ゲームだと逆になりがちなんですよね。キャラクターの当たり判定に関わる部分なので、極端に有利不利ができないように注意しています。

――そのあたりは『ギルティギア』シリーズなどで培ったノウハウですか?

本村 そうですね。バトルプランナーもこれまでの知見を活かして、どうしたらユーザーフレンドリーかつ、対戦格闘ゲームとしておもしろいゲームになるのかというのを、日々テストプレイしながらがんばって作っています。

――原作ですと、悟空の少年時代から青年時代、その後、悟飯や悟天が生まれたりと時代が経過していますが、たとえば若い悟空と大人の悟空が出たりといった人選は考えられますか?

広木 そのあたりもキャラクターのネタバレになってしまうので……。ひとつ言うとすれば、「本作にはその場で変身をするようなシステムはありますか?」とよく聞かれます。そのひとつにフリーザのゴールデンフリーザへのパワーアップがありますが、あれはフリーザの個性として用意しているので、全キャラクターに存在するものではないんです。

――なるほど。もうひとつ気になることがあるのですが、キャラクターが発売後に解禁されていくようなことはありますか?

広木 基本的には、ゲームを初めて起動していただければ、本当に一部キャラクターをのぞいて使用可能です。

――こちらは演出面の話題なのですが、ステージ破壊の演出がかなり派手で、これにも驚きました。

広木 同じステージの破壊演出だけでも、複数用意しています。

本村 このステージの破壊演出ですが、敵に攻撃を当てるたびにに入ってくると対戦格闘ゲームとしてのテンポが悪くなってしまいます。ではどうしようと考えまして、最終的には特定の条件で敵ひとりをK.O.したときに演出を入れることにしました。こうすればゲームプレイのテンポを損なわずに見せられるだろうと。また、特定の条件で吹っ飛んでK.O.されると、岩に激突して倒れるといった演出もありますよ。

――そのステージですが、現在公開されているのはナメック星と天下一武道会のステージですね。

広木 ステージは10以上用意していまして、これも今後発表していきたいなと。

●原作のファンならではの開発のこだわり
――おふたりのお気に入りの演出や必殺技などはどんなものになりますか?

広木 私は悟飯の“親子かめはめ波”ですね。原作では悟飯がセルに向かって放った技ですが、カメラがグルグル回って気がドンドン溜まっていくような表現になっています。これは2.5Dにしたからこそできた演出だと思っていて、見たときに「これはすごい」と思いましたね。

本村 セルの“太陽系破壊かめはめ波”は『ドラゴンボール』らしいスケール感を表現できていて、個人的に気に入っています。

――名前からもスケール感が想像できます(笑)。

本村 絵コンテを担当しているスタッフは、対戦格闘ゲームとしての都合も把握しつつ、原作の雰囲気を活かした絵を作ってくれました。そこに対戦格闘ゲームとしてのけれん味のあるテイストを入れて、さらに見栄えがよく見えるようにしています。

広木 もうひとつご注目いただきたい技は、フリーザのデスソーサーという必殺技です。これはフリーザが悟空に放った技なのですが、原作ではこの技を悟空が回避したあとにブーメランのように戻ってきて、フリーザ自身に当たって体が真っ二つに切れてしまうというものなんです。それを本作でも再現していて、フリーザが放ったデスソーサーは画面外まで進んだあとに戻ってきて、敵だけじゃなく自分にも当たることがあるという性能になっています。

 最初上がってきたときは思わず「そこまで再現するとは!」と笑ってしまいましたが、これはユーザーもきっと気に入ってくれると思っています。また、ゴールデンフリーザから通常のフリーザに戻るときにスキが生まれるのですが、このタイミングでコマンドを入れると、部下のソルベというキャラクターがレーザー銃で攻撃してくれるんです。これはアニメで悟空がフリーザを倒そうとしたときに、不意打ちで攻撃されてしまうというシーンを再現しています。

――なんと! すごいこだわりですね。

広木 アークシステムワークスさんは、原作にも同じ技はあるけどいままでになかったカメラワークや演出で見せてくれるので、ゲームならではの演出で新鮮に感じていただけるかと。また、アクションへのこだわりもすごくて。たとえば弱パンチひとつ取っても、モチーフがあるんです。どのアクションも、よく見ると原作や過去のゲームを再現したものになっているので、どこのシーンのものなのか、探していただきたいですね。

本村 あるがままを再現するだけだと新鮮味がないので、原作を大事にしながらももうひと押しするような作りかたを心掛けています。また、これも2.5Dのいいところなのですが、2Dのステージでキャラクターを動かすことになるので、狙った絵が作りやすいんです。キャラクターが攻撃したり、攻撃を受けて痛がったりという表情の表現がしやすくて、カッコいいシーンが作りやすいですね。

広木 効果音なども原作を忠実に再現してあって、そういった面でも楽しんでいただけるかと。あと、日本と海外では、名シーンと呼ばれるものが異なるようで、いろいろなバトルシーンを観て盛り上がっていただけているみたいですね。

――海外とは名シーンが違うと言うのは?

広木 海外ではその国の言語で声優さんが声を当てているので、同じシーンでも印象が変わってくるようなんです。『ドラゴンボール』のコンテンツの大きさと、その魅力が世界共通だということに、改めてすごさを感じました。とくに北米は『ドラゴンボール』人気がとくに高いので、反応はすごかったですね。

――世界規模で期待されているタイトルということですね。現在はVSモードが公開されていましたが、それ以外にはどんなモードが用意されているのでしょうか。

広木 本作には、ゲームをスタートするとビジュアルロビーという場所に入ります。そこではプレイヤーどうしでコミュニケーションを取ることが可能で、そこからオンラインで戦ったり、ほかのことができたりします。

――ひとりで遊べるようなモードはありますか?

広木 これもまだ詳しくはお話できませんが、ひとりで楽しめるようなモードもしっかり用意してあります。

――そちらも楽しみですね。また、本作は対戦格闘ゲームということで、e-sportsとしての取り組みは考えられているのでしょうか。

広木 当然意識していますが、本作は『ドラゴンボール』という誰でも知っているタイトルなので、カジュアルな層にも楽しんでほしいと思っているんです。“格闘ゲーム”というと、どうしてもコマンド入力などのテクニック的なところが基本的にうまくないとできない、難しい、というイメージが一般的に根付いていると思います。ただ、格闘ゲームにはそれだけではない、技どうしの読み合いや駆け引きなど、頭脳戦も重要なポイントだと思っているんです。本作はそういった点をぜひカジュアルユーザーの方にも理解して楽しんでいただきたいと思っています。簡単な操作で爽快感バツグンなアクションが使えますし、ただ、読み合いや駆け引きなどは楽しめるといった「敷居が高い、コアユーザーでないと楽しめない」という作りにはしていないので、e-sportsの新しい風になればうれしいですね。

木村 そういった面もあるので、必殺技のコマンドは簡単になるように意識しています。ですが、ボタン一発で技が出てしまうと上達していく楽しみが薄れてしまうので、そのあたりの調整には気をつけました。

――今後、ゲームの大会を開催するといった展開はありますか?

広木 まだお話できる段階ではありませんが、ゲームを出して終わりではなくて、長く楽しんでいただけるような運営をしていきます。

――非常に楽しみです。最後に本作の見どころをご紹介いただきつつ、本作の発売を楽しみにしている方へメッセージをいただけますでしょうか。

広木 さきほどのくり返しとなりますが、『ドラゴンボール』のファンの方に対戦格闘ゲームのおもしろさを知っていただきたくて作っているゲームです。ですがもちろん、対戦格闘ゲームファンの方にも楽しんでほしいので、皆さんぜひ手に取って遊んでいただければと。

本村 遊んで楽しいというのはもちろんですが、観て楽しい、たとえば、バトル中で何が起きているのかが誰でもパッとわかったり、どちらが勝ちそうでどちらが負けそうというのがハッキリわかって、思わず応援したくなるようなゲームになるように開発しています。どうぞ今後も注目していただければと。

最終更新:8/10(木) 17:33
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