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東芝「決算は正常化」と社長、メモリー売却の成否明言せず

8/10(木) 17:53配信

ロイター

[東京 10日 ロイター] - 東芝<6502.T>の綱川智社長は10日午後、2016年度決算が固まったことを受けて記者会見した。監査法人PwCあらたが、有価証券報告書の財務諸表について「限定付き適正意見」を表明したことを受け、同社長は「当社の決算は正常化した」と強調した。一方、遅れている半導体メモリー事業の売却について綱川氏は、「(各国の)独禁法(審査)を考えると容易ではない」との認識を示し、狙い通り今年度中に売却を完了できるかどうか明言しなかった。

PwCあらたは、16年度有報に記載した監査報告書で、東芝の内部統制について「不適正」とした。

この点について綱川氏は、今年3月末で米連邦破産法11条の適用を申請し倒産した米ウエスチングハウス(WH)社に関連したものと説明。WHは破産法申請を受けて16年度から東芝の連結決算から外れたことを根拠に、同社の内部統制について「現在、不備はない」(綱川氏)との認識だ。

16年度決算により、東芝の債務超過額は今年3月末で5529億円に確定した。債務超過を来年3月末までに解消できなければ、東芝株は上場廃止になる。

その解消を狙って今年2月から本格化しているメモリー事業の売却交渉は6月21日、産業革新機構、日本政策投資銀行に米投資ファンドのべインキャピタルと韓国半導体大手SKハイニックス<000660.KS>を加えた「日米韓連合」を優先交渉先に選定したが、6月末に目指していた最終合意が大幅に遅れている。

綱川氏は最終合意の遅れについて、「米ウエスタンデジタル(WD)<WDC.O>との訴訟が影響している」と述べた。

仮に日米韓連合と近く最終合意しても、その後の各国独禁法審査が控えており、来年3月末までに売却が完了するかどうか予断を許さない情勢だが、綱川氏は「(審査が)間に合わなかったらどうするのかについては何も決めていない」と語った。

16年度決算に関して監査法人から限定適正の意見を得て、これに関する上場廃止リスクは遠ざかったものの、メモリー売却の成否も含め、同社の経営再建の行方は依然として不透明といえそうだ。

(浜田健太郎)

最終更新:8/10(木) 17:53
ロイター