ここから本文です

日報問題、稲田氏不在で核心迫れず=野党「隠蔽」批判、与党内にも懸念

8/10(木) 20:26配信

時事通信

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報問題をめぐる10日の閉会中審査では、日報を非公表としたことに稲田朋美元防衛相が関与したかどうかが最大の焦点となった。

 しかし、与党は稲田氏や防衛省・自衛隊の元幹部の出席を認めず、当事者不在の議論となったため、真相解明を目指した野党は核心に迫れなかった。野党は「隠蔽(いんぺい)体質だ」と政権批判のトーンを一段と強め、与党内からも支持率への影響を懸念する声が上がった。

 「当時の大臣がいないことには、核心の部分が何一つ明らかにならない」。民進党の蓮舫代表は記者会見で、稲田氏の参考人招致を拒否した与党を厳しく批判。引き続き出席を求め、事実解明に努める考えを示した。

 特別防衛監察は、稲田氏が2月13、15両日の省内会議で陸上自衛隊幹部らから日報について説明を受けた際、「何らかの発言があった可能性は否定できない」とし、稲田氏の関与をあいまいにした。報告したとする陸自幹部らと、報告を受けたことを否定する稲田氏の主張は食い違っており、野党は当事者に直接問いただすことが不可欠と考えている。

 しかし、問題の幕引きを急ぎたい与党側は、稲田氏の露出を避け、内閣改造で新たに就任した小野寺五典防衛相に対応を託した。小野寺氏は「私が稲田氏に電話でしっかり確認した」として、監察結果をなぞる答弁に終始。再調査や内部資料公開を拒んだ。参考人として唯一出席した辰己昌良防衛省官房審議官(前統合幕僚監部総括官)も「監察に真摯(しんし)に答えた」と繰り返すだけで、稲田氏への報告の有無を一切明らかにしなかった。

 このため、参院外交防衛委員会で民進党の大野元裕氏は「大臣のクビがすげ変わっても隠蔽(いんぺい)体質は変わらない」と非難。衆院安全保障委でも、同党の升田世喜男氏は稲田氏らの不在について「国民目線では誰も納得できない」と憤った。

 自民党の森山裕国対委員長は記者団に「小野寺氏が誠実に答えた」と述べ、さらなる国会審議は必要ないとの認識を示した。一方、10月の衆院補選などを控え、国民の批判が強まることを懸念する声は与党内にもあり、公明党幹部は「『稲田隠し』と言われ、支持率がまた下がるのではないか」と指摘した。 

最終更新:8/10(木) 20:29
時事通信