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介護報酬削減、参入続々と… 逆境 デイサービス 利用者獲得 JA あの手この手

8/10(木) 7:01配信

日本農業新聞

 高齢者の暮らしを支える通所介護(デイサービス)施設は、2015年度の介護保険制度改正以降、基本報酬の削減で経営が立ちゆかなくなったり、異業種からの新規参入による競争が激化したりで、倒産するケースも多い。18年度の改正でさらに運営が厳しくなると見込まれる中、JAが運営するデイサービスは生き残りを懸け、利用者や社会のニーズを捉えた多様なプログラムで運営を強化している。

機能回復訓練に特化 茨城・JA常陸

 16年3月に開設した茨城県JA常陸の「高萩デイサービスセンターだいすき」は、最新の機器をそろえ、利用者の体の状態に合わせた多様な訓練を行う。「体の動きが良くなってきてうれしい」と、意欲的に訓練に取り組む利用者も多く、評判は上々だ。

 高萩市内唯一の機能訓練に特化した施設とあってか、1日平均30人が利用し、キャンセル待ちが出る日もある。居宅介護支援や訪問介護も行う、JA高萩地区介護支援センターの大都順子センター長は「デイサービスは後発のため、特徴を出さなければと取り組んだのが奏功した」と話す。

 スーパーや不動産業など異業種からの参入も多く、競争は今後も激しくなると予測される中、特徴を出した運営が求められる。

活動メニュー選んで 三重・JA伊勢

 利用者の価値観が多様化する中、三重県JA伊勢の「みのりデイサービス」は、自主性を重視した選択型プログラムを導入して利用者獲得を目指す。

 利用者は手芸、カラオケ、畑仕事、歩行練習など、ずらりと並ぶメニューの中から3、4種類を選んで、1日の過ごし方を決める。時には、得意な分野で先生となって教室を開くこともある。70代の女性は「働いていた経験や趣味が生かせてうれしい」と喜ぶ。

 管理者の河崎祐治さん(48)は「やりたいことを自分で決めて行動するのは、楽しみややりがい、自信にもつながる」と話す。

 現在、1日の受け入れ定員は30人で稼働率は90%を超える。一方、比較的介護度が低い利用者が多く、今後は自立して卒業する人が増える見込みで、運営維持には新規の利用者獲得が不可欠だ。河崎さんは「地域の医療機関と連携した重度者の受け入れや、保険外サービスなども視野に入れている」と先を見据える。

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最終更新:8/10(木) 7:01
日本農業新聞