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元HaKU辻村有記、初ソロワンマンで掲示した新しい音楽そして誇り/レポート

8/10(木) 11:10配信

MusicVoice

 元HaKUのフロントマン、辻村有記が9日、東京・渋谷WWWでソロ後では初のワンマンライブ『SHOWCASE - U - at 渋谷WWW』をおこなった。解散から1年、自身の音を求めて様々な経験を積んだという辻村が、どのような音を披露してくれるのか、彼の動向にも注目が集まっており、多くの観衆が会場に詰め掛けた。

 この日は、7月にデジタル配信リリースされた最新曲「Ame Dance」をはじめ、作詞、作曲、トラック、ヴォーカル、アレンジなど、全て自身でプロデュースする作品の数々を披露する一夜限りのショーケースライブだった。

 開始前には青い光がステージには照らされ、そこにはPCなどの音楽機材が載せられたテーブルが一つ、ドラムセットが二つ、そしてお立ち台が二つ。ステージ開始の時刻になると不意に会場は暗転、エレクトリカルなSEとともにいくつかのスポットライトが、ステージのあちらへこちらへと動き回る。

 この日、満を持して、辻村のサポートに入ったインストゥルメンタル・バンド、fox capture planのドラマー・井上司とともに、辻村がステージに登場。左腕を思い切り上に伸ばした姿勢で、ステージに現れるとお立ち台に上がり、今度は両腕を伸ばして観衆の歓声と拍手を煽る。久々の辻村の表情に喜びを隠せず、歓声や拍手がステージに向けて多く飛んだ。

 いよいよステージのスタート。出だしは井上のドラムのバスドラにヘビーなノイズ音を加え合わせた“ドシッ”とした音が飛び交い、一気に観衆の注意をステージに引き込む。サウンドとリズムが形成されていくとともに、辻村は一心不乱に卓上のサウンドパッドを叩き、音にハーモニーを作り出す。

 ブレイクと共に「渋谷ァッ! こんばんは! 辻村有記です! どうかよろしく!」と挨拶の言葉を観衆に向けて投げかける。そして「渋谷! 踊ろうぜ!」という一言で一気にヘビーなリズムを醸すとともに、「Sounds Like You Feel It」へと移っていき、ここで辻村は初めてマイクに向かって歌いはじめ、辻村の作り出す世界感を会場の一人ひとりに披露していった。

 全曲を、新曲で構成されたこの日のステージ。全体的に拍の間の休符を長くとったリズムが多く聴かれる中、その間を縫うような無機質なシーケンス音が響き、そこに厚みと隠し味となるリズムパターンを井上のドラムが加える。そのお膳立ての上で、辻村はメロディを紡ぐ。言葉一つひとつに力を加えているようで、それでもがなっているものではない、時にファルセットでフッと心地よい浮遊感を与えたりと、辻村の声を1年ぶりに披露する。

 「渋谷! 体動かそうぜ!」「一緒に歌おうよ!」「渋谷! サイコー! さあ、踊ろうぜ!」と、ここぞという時には観衆に呼びかけ、掛け合いまでおこない観衆の注意をさらい、さらに踊り、別の時には一心不乱にPCを操作してサウンドを生み出しとひと時もじっとしていない辻村。そのリズムに会場の観衆も徐々にノリを合わせ、辻村がお立ち台に上がり両手を上げると、それに呼応して観衆も腕を上げ、一つとなった。

 9曲目の「Wonderland」が終わると、演奏はピタリと止め観衆に語り掛ける。「約1年ぶりのこのステージに立っているんですけど、本当にみんな来てくれてありがとう!」。そしてここまでの様々な道程を経た1年を振り返りながら「このステージに感じることは、2つしかない。一つは今日この夜に、自分の音を持ってやってきたこと、そしてもう一つは、それをみんなが受けたこと。それだけが今の自分の誇りです」と自分が再びステージに立てた喜びを言葉に表し、音楽を続けていく決意表明を皆に告げた。

 続いてメロウな雰囲気の「Brave」から「今日この場所にいるすべての人に感謝します!」と礼の言葉を告げ、最後に7月にリリースされたシングル曲「Ame Dance」を披露。そして感謝の言葉を述べながらステージを降りた。アンコールでは、かつて再びステージに上がることを迷っていたことを明かしながら、仲間内に励まされてこの日ステージに上がったことを告白する。

 そしてこの日新たな音源もない、ツアーもない状態でのステージながら、多くの観衆が立ち寄ってくれたことに改めて感謝を告げながら、今後もツアー、音源制作と活動を続けていくことを改めて観衆に伝え、観衆から称賛の言葉と拍手を受ける。そしてラストは「一番新しい曲」と明かした「I Won’t Forget」で、この日のステージを盛大に締めくくった。

【取材=桂 伸也】

最終更新:8/10(木) 11:10
MusicVoice