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【いま大人がこどもにできること(52)】こどものネット被害を減らすための、大人の意識改革

8/10(木) 11:00配信

ニュースソクラ

インターネットが「実は危ない」ことを知る

今週の本
「11歳からの正しく怖がるインターネット」(小木曽健=著、晶文社)


 前回、小学1年生の話をしました。
 そこに書きましたように、 今年の新1年生はすでにスマホ、ネットの限界を理解していて、ネットができることとできないこと、の区別をつけ、本に回帰してきている感じがあります。
 スマホネイティブは違うなぁ、です。

 なので問題なのは5、6年……。
 彼らはそこまでいってない、旧世代の人々です。
 というわけで、高学年にネットのどこが怖いのか、をブックトーク(何冊かの本を紹介しつつテーマを解説する図書館員のテクニックの一つです)した小学校司書からいわれたのは、子どもたちもですが、もっと問題なのはそれ以上の年齢の大人ではないか、ということでした。

 初めに5年生にスマホその他、を持っているかどうかたずねたところ、これが案外少なかった……。
だからまだ早かったか、と一瞬思ったのですが、6年生男子がこっそり、あの子たちはもう自分のチャンネルを持ってるんだよ、と教えてくれたというのです。
 その子たちは別に派手でもなく、ごく普通の(に見える)図書館利用者で、問題があると思ったことはなかったグループだった……。
 ただ、やけに真剣に聞いてるな、と思ったのは自分たちがすでにやっていたからだったんだ、だったのです。

 で、あわてて見てみたところ、みんな、顔写真バッチリで、フォロワーのなかには高校生だの、これはどう見ても大人だよな、というなりすましが何人も混じっていた……。

 あわあわして担任に話にいったところ、全然危ないと思ってくれなかった……それどころか、親御さんが認めているんだから仕方がないでしょう、だった、というのです。

 その親御さんたちもまた、自分の娘の写真が何枚も写っているのになんにも思わないどころか、いいね! がたくさんつくのを人気がある、と喜んでいた、というのです……。

 確かに先生方のなかでも特に40代はコンピューター万能感が強いように思います。
 もうネットがあるから、紙版の百科事典はいらないでしょう、と本気でいってきた教育委員会や、さあ、ネットで調べろ~、という先生方は40代が多いのです(これは高学年を担当するのが40代が多いからかもしれないのですが……)。

 さすがに20代で、ウィキペディアをみろ、という教師は減ってきている、と思うのですが、まだまだいないわけではありません。
 大学で、なにをどう教わってきたかによりますから……。

 いまは新しいアプリが作られれば、いままでできなかったことができるようになります。
 昔は写真をとっても位置情報までついてくるわけではありませんでした。
 でもいまでは意識してはずさないと、うっかりしてると自分の家までバレてしまったりする……。

 自分は用心していても、気がつくと子どもの友だちに自分の子もネットに出されていたりするわけです。

 どうすればいいでしょう?
 といわれて、うーん、大人は説得するのは難しいから、子どもに解説するしかないよね、というしかありませんでした。

 この「11歳からの正しく怖がるインターネット」は、文字も大きいし、内容もいままでの本に比べればわかりやすいし易しいです。
 でも、子どもが自分でこれを読むのはやはり無理でしょう。
 もう少し、わかりやすい、読みやすい、誰でもわかる、子どもにじかに出せる本がでないかな、とは思うのですが、いまのとこはないのですみません……。
 親御さんが読んで、解説をしていただくしかありません。
 5、6年生以上はスマホに疎い世代だと思っていいと思います(将来IT屋で生きてくような子どもは別として……)。
 どうぞできるだけ被害に遭う確率を減らせるように説明してやってください。

 いやあ、うちの子はまだまだ大丈夫ですよ、と思っていたら危ないかもしれないのです。
 うちの子、は大丈夫でも、うちの子の友だち(と親)、が大丈夫な保証はないのですから……。

■赤木 かん子:いま大人がこどもにできること(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。
著書多数。

最終更新:8/10(木) 11:00
ニュースソクラ