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新・最強官庁になった「金融庁」 任期3年目に入った森長官が仕掛ける地銀再編

8/10(木) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

金融庁の動向が注目されている。

文字通り金融をつかさどる中央官庁の一つであるが、銀行、証券、保険会社など金融に関わる業界を一手に監督しており、強い許認可権限を持っている。民間企業の力が強くなり、かつてのように霞が関が所管する各業界に影響力を及ぼす時代ではもはやなくなったが、金融庁だけは例外だ。

【画像】かつては財務省が最強官庁と言われた。だが最近は、金融庁の存在感が増している。

監督対象となる業種や会社の数は数多く、さまざまな許認可や、法令違反に対する強力な処分権限を握る。業界が絶えず意識し、頭の上がらない存在であり、それゆえ近年は、金融庁が財務省をしのぐ「新・最強官庁」とさえ言われている。

地銀の経営改革を推し進めるキーマン

そのトップに立つ森信親長官が任期3年目に入った。霞が関の多くの役所で、長官=次官のポストは就任から1年ないし2年で異動するのが通例だが、森氏は異例の続投である。

金融庁はこれまで森氏を含めて歴代9人の長官がいるが、任期が3年に及んだのはこれまで五味廣文氏と畑中龍太郎氏の2人しかいない。

中央官庁の人事は通常国会が終わる6月末で大きく動く(役所が新たな事務年度に入る)が、この夏は森氏が続投するどうかが金融業界の大きな関心の的になっていた。なぜなら、森氏は銀行、特に地銀の経営改革を強力に進めてきたキーマンであり、その流れがこのまま継続するか否かが業界にも大きく影響するからである。

森長官の金融行政の経緯は、読売新聞東京本社経済部の若手記者が中心となって綿密な取材でまとめた近著『ドキュメント 金融庁vs. 地銀 生き残る銀行はどこか』に詳しいが、筆者も執筆陣の一人として参加した。本書で中心になっているのは、森長官の金融行政に対する革新的な取り組みである。

これまで2年にわたり、地銀に経営体力を強化してもらうべく旗を振り、時には業界に耳の痛いことも数多く指摘してきた。それゆえに森氏が今夏交代するかどうかは、大げさにいえば業界の命運すら左右しかねない大焦点となっていた。

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最終更新:8/10(木) 12:10
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