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宇宙のハイエンドコンデジ、NECの新型地球観測衛星「ASNARO-2」公開

8/10(木) 19:17配信

sorae.jp

日本電気(NEC)は8月9日、今年打ち上げ予定の小型地球観測衛星「ASNARO-2」(アスナロツー)を公開した。

小型低価格で高性能

ASNARO-2は経済産業省が推進する小型地球観測衛星プロジェクト「ASNARO」の2号機だ。いずれもNECが中心になって開発しており、日本国内での商業利用だけでなく輸出も視野に入れている。1号機の「ASNARO-1」は2014年11月に打ち上げられた光学衛星(望遠鏡で地上を撮影する衛星)で、ASNARO-2はレーダー衛星(電波で地上を撮影する衛星)だ。

ASNAROシリーズの特徴は「短納期、高性能、小型かつ低価格」だという。標準設計を用いて受注から短期間で衛星を設計・製造し、小型で低価格でありながら高性能を実現するということだ。ASNARO-2の性能を考えるために、同じレーダー地球観測衛星であるJAXAの「だいち2」と比較してみよう。衛星の重量はだいち2が2tなのに対して、ASNARO-2は580kgと約1/4。それに対して地上の物体を見分ける能力、分解能は1~3mで、スペック上は分解能1mのASNARO-2の方がやや上だ。

※重量は資料により若干の差がある。

ではASNARO-2の方が高性能なのかというとそうとも限らない。地球観測衛星は宇宙を飛びながら地上を帯状に撮影するが、ASNARO-2の帯の幅、観測幅は分解能1mで10km、観測幅を大きくとるモードでは分解能16mで幅50km。一方、だいち2は分解能1mのモードで観測幅25km、観測幅優先のモードでは分解能60mで最大490kmもの撮影が可能だ。ASNARO-2は小型低価格を活かして、特定の場所を狙って撮影したい商業利用などに向いている。また、多目的なだいち2で撮影した広域画像の中から、気になる場所を選んでASNARO-2がピンポイント撮影するような使い方が向いていると言えるだろう。

もう一点、異なるのはレーダーに使用する電波だ。だいち2のレーダーはLバンドという電波を使用しており、樹木の葉ぐらいなら透過して地面を撮影することができるため、地形の変化の観測などに適している。一方、ASNARO2のレーダーはXバンドという電波を使用しているため、葉で反射する。このため樹木の高さの変化、稲などの作物の成長を観測することもできるということだ。

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最終更新:8/10(木) 19:44
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