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マグヌッセンという新しいチームメイトの加入で、ハースの”王様”ではいられなくなったグロージャン

8/10(木) 16:37配信

motorsport.com 日本版

 ハースのロマン・グロージャンは、昨年からF1に初参戦したハースでエースとして活躍。2016年シーズンは29ポイントを獲得し、ノーポイントに終わったチームメイトのエステバン・グティエレスを圧倒した。その結果、ハースは参戦初年度ながらルノーを上回るコンストラクターズランキング8位となった。

【写真】かつてはクラッシュが多く、”1周目の狂人”とも揶揄されたグロージャン(2012年ベルギーGP)

 グロージャンは今年も前半戦を終え18ポイント獲得と順調だが、昨年と違うのはルノーから移籍してきたケビン・マグヌッセンの存在だ。彼は現在11ポイントを獲得している。

 グロージャンが、マグヌッセンの加入に対してどのように対応したか、ハースのチーム代表であるギュンター・シュタイナーに聞くと、彼は次のように答えた。

「ロマンはうまく対応した。彼はそれを”チャレンジ”だと受け取ったと思う」

「おそらく、始めのうちは快適に感じることができなかっただろう。しかし私は、自分が快適に感じるゾーンの少し外側にいる方がベストなパフォーマンスを出せると思う。そういうゾーンの中では、成長が停滞してしまうからね」

「そうなれば、自己満足の独りよがりになってしまう。挑戦をしていなければ、そうなってしまうのはすごく簡単なことだ。パフォーマンスレベルの高いビジネスやスポーツでは、特にそうなりやすい」

「あまりにも快適になりすぎて、物事が簡単にいきすぎているようなら、少し”プッシュ”してやる必要がある」

マグヌッセンは過小評価されていると主張するグロージャン

 グロージャンにとって、マグヌッセンはF1で5人目のチームメイトになる。グロージャンがルーキーとして2009年のヨーロッパGPでデビューした時、チームメイトはフェルナンド・アロンソだった。そのシーズン終了後は、一時グロージャンのF1参戦が途絶えるが、2012年にロータスへと名前を変えたチームへと復帰した。その際のチームメイトはキミ・ライコネン。その後にパストール・マルドナドともコンビを組んだ。

 グロージャンは現チームメイトのマグヌッセンと、これまでのキャリアの中でベストな関係を築けけていると主張。また、マグヌッセンはドライバーとして過小評価されていると述べた。

「僕は彼と実に良い関係を築けているんだ。僕にとっては本当に驚きだよ!」とグロージャンはmotorsport.comに語った。

「チームメイトとは常に”戦争”をしているようなものだけど、僕たちは共に成長し、お互いを尊重しているんだ」

「僕は、彼が過小評価されていると思う。彼はすごく速いんだ! マシンが彼に合っていない時でも彼はとてもうまく走れる。彼は全然気にしないんだ」

「僕は、キミ(ライコネン)からマシンのセットアップを学んだし、レース週末へのアプローチの仕方を学んだと言える。だけど、ケビンは他の面でベストだと思うんだ」

「他の、F1より下のカテゴリーでは、僕はどのチームメイトも倒したいとだけ思っていた。ただベストでいたかったんだ」

「F1に入った時や、キミがチームメイトだった時も同じような感じだった。『彼がベンチマークなんだから、彼を倒さなくちゃ』ってね。だけど、今は2つのベンチーマークがあると思えるし、それで問題ないんだ」

「もし彼の方が速ければ、『よし、改善する必要がある』と思えるし、僕の方が速ければ『今日は良い1日だった』と思える」

 マグヌッセンの存在によるプレッシャーが、グロージャンにとって”健全”であるというシュタイナーの指摘に、彼も同意している。

「チームに非常に速いドライバーが2人いることは、すごく重要なことだと思う。一方のドライバーよりも片方のドライバーがいつも速いということになれば、速い方の速さが鈍り、”イージーライフ”を送るようになるだろう」

「メルセデスで(バルテリ)ボッタスがルイス(ハミルトン)をプッシュしているように、2人のドライバーがどちらも一生懸命な時は、チームにとって素晴らしいんだ」

「ルイスにとっては、時につらいこともあるだろう。タイトル争いの相手が増えるんだから。だけど、他のチームではそれは当てはまらない」

Matt Beer