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「グアム包囲射撃」「炎と怒り」…米朝“言葉の戦争”最高潮

8/10(木) 7:07配信

ハンギョレ新聞

「北朝鮮の小型核弾頭の開発成功」評価 WP、米国防情報局を引用して報道  トランプ「北朝鮮、炎に直面するだろう」と警告 北朝鮮、すぐに「グアム攻撃作戦を検討」と対抗 大統領府「新しい対北朝鮮制裁に敏感な反応」

 北朝鮮の核・ミサイル問題で朝鮮半島周辺の緊張が高まる中、9日、北朝鮮と米国が互いに武力攻撃をする可能性もあるという趣旨の激しい「言葉の爆弾」を交わした。ただでさえ“8月朝鮮半島危機説”が出ている状況で、ドナルド・トランプ米大統領が直接「北朝鮮が炎と怒りに直面することになるだろう」と警告し、北朝鮮は「グアムに対するミサイル攻撃」を公言するなど、“強対強”対峙が深刻化し、朝鮮半島情勢の不確実性は一層高まっている。

 北朝鮮軍戦略軍は同日、報道官声明を通じて、「アンダーソン空軍基地を含めたグアムの主要軍事基地を制圧・牽制し、米国に厳重な警告信号を送るために中長距離戦略弾道ロケット『火星-12』型でグアム周辺に対する包囲射撃を断行するための作戦案を重々しく検討している」と主張した。戦略軍は「グアム包囲射撃案は十分に検討・作成され、まもなく最高司令部に報告することになり、金正恩(キム・ジョンウン)同志が決断を下されれば任意の時刻に同時多発的に、連発的に実行されるだろう」と威嚇した。戦略軍は北朝鮮の弾道ミサイル運用部隊だ。米国は「死の白鳥」と呼ばれる長距離戦略爆撃機B-1B「ランサー」2台を前日の8日にも朝鮮半島上空に展開した。

 北朝鮮人民軍総参謀部報道官も別途声明を発表し、米国に対抗して“全面戦”も辞さないと威嚇してきた。声明は「米国の無謀な先制攻撃の企図が明らかになれば、すぐに、ソウルを含めた1、3野戦軍地域のすべての対象者を火の海にし、南半部の縦深に対する同時攻撃とともに、太平洋作戦戦区の米帝侵略軍発進基地を制圧する全面的な攻撃につながるだろう」と明らかにした。

 北朝鮮のこのような威嚇性発言は、トランプ大統領が8日(現地時間)、ニュージャージー州ベッドミンスターのトランプ・ナショナルゴルフクラブで記者らと会い、「北朝鮮はこれ以上米国を威嚇しないほうがいい」とし、「(そうでなければ)世界が目にしたことのないような『炎と怒り』(fire and fury)に直面するだろう」と話した後、数時間後にあらわれた。

 トランプ大統領は「(金正恩委員長は)正常状態を超えて非常に威嚇的」だとし、「たった今述べたように、世界が目にしたことのないような炎と怒り、率直に言えば力に直面するだろう」という言葉を繰り返した。トランプ大統領のこの発言は、就任後で水位が最も高い北朝鮮に対する警告だ。今までは「すべての選択肢はテーブルの上にある」といった形で「軍事行動」の可能性も開かれていると暗示するレベルだったが、今回は北朝鮮に対する強力な攻撃を具体的に言及したものだ。

 トランプ大統領の発言は、ワシントンポスト紙が米国防部に属した国防情報局(DIA)の評価を引用し、北朝鮮が米本土攻撃が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載できる小型核弾頭の開発に成功したという報道に対する反応と推定される。

 “トランプ式火の海”発言を、近いうちにあるいは実際に北朝鮮を攻撃するという意味と捉えるにはまだ早い。米国の大統領が独断で軍事行動を決定することは容易ではない。だが、北朝鮮の脅威評価に対する米政府の報告書が相次いで流出し、米国内でも緊張感が高まるのはよくないシグナルと言える。乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン韓米合同演習(21~23日)が近づいている状況で、トランプ大統領の激しい発言が北朝鮮の脅威の認識を高め、両方の誤った判断による偶発的衝突の可能性を一層高めることもあり得るからだ。

 チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院責任研究委員は、「北朝鮮が米国を先制攻撃することはできず、米国も北朝鮮に対する軍事的対応はできないという現実を考慮したとき、両方の荒っぽい言い争いはそれぞれ国内世論を意識した側面もあるだろう」とし、「過度な言葉対言葉の対決が『行動』の火種にならないよう、中国、ロシアなど周辺国と共に状況管理に向けた思慮深い外交的努力が必要な時点」だと指摘した。

 大統領府の中心的な関係者は「(北朝鮮が人民軍総参謀部と戦略軍報道官の声明を同時に出したのは)非常に特異な状況で、国連安全保障理事会の新しい対北朝鮮制裁決議(2371号)に対して敏感に反応しているようだ」と述べながらも、「朝鮮半島危機説には同意しない」と話した。一方、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日午前、大統領府で新任の軍首脳部から進級及び補職申告を受ける席で「何よりも高度化する北朝鮮の核とミサイルに備えられる現代戦勝利の戦力を確保することが重要だ」と強調した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、チョン・インファン、チョン・ユギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8/10(木) 7:07
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