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1-3期=LD、4期=ED/肺がん治療最前線

8/10(木) 9:01配信

日刊スポーツ

<オプジーボだけじゃない(20)大江裕一郎>

 肺がん治療30年のスペシャリスト、国立がん研究センター中央病院の大江裕一郎先生(57)が、最新の肺がん治療を教えてくれます。

【小細胞肺がんの進行度と治療】

 現在、年間約7万5000人の患者さんが肺がんで死亡し、そのうち約1万5000人が小細胞肺がんと推測されます。小細胞肺がんの病期ごとの治療法を表に示しました。小細胞肺がんは、限局型(LD)と進展型(ED)に大きく分類されます。通常の病期分類に大まかに当てはめると限局型は1-3期、進展型は4期に相当します。

 小細胞肺がんの場合には手術が行われることは比較的まれですが、リンパ節転移のない1期に限っては、まず手術が行われます。小細胞肺がんは進行が速いために1期で発見されることはまれであり、術前に診断がつかずに手術してから小細胞肺がんと診断されることも少なくありません。小細胞肺がんの場合には、1期で手術されたとしても、術後に化学療法が必要です。

 限局型の小細胞肺がんに対しては化学療法と放射線治療が併用されます。比較的若くて元気な患者さんには化学療法と放射線治療の同時併用が行われます。副作用も少し強くなりますが、放射線治療は1日に2回照射する方法の効果が高いとされています。

 化学療法と放射線治療で、がんが消失もしくはそれに近い状態まで縮小した場合には、予防的に脳へ放射線治療を追加します。これを予防的全脳照射と言いますが、脳への再発を減らして治癒率を上昇させることが示されています。

 進展型の小細胞肺がんの患者さんに対しては、白金製剤を含む併用化学療法が行われます。

 ◆大江裕一郎(おおえ・ゆういちろう)1959年(昭34)12月28日生まれ、東京都出身。57歳。東京慈恵会医科大学卒。89年から国立がんセンター病院に勤務。2014年、国立がん研究センター中央病院副院長・呼吸器内科長に就任。柔道6段。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本体育協会公認スポーツドクターでもある。

最終更新:8/10(木) 9:03
日刊スポーツ