ここから本文です

米大陪審、トランプ大統領のロシア疑惑捜査で担う役割は-QuickTake

8/10(木) 1:10配信

Bloomberg

2016年の米大統領選挙に対するロシアの干渉、およびトランプ陣営とのつながりの有無を捜査するモラー特別検察官が、ワシントンの連邦裁判所に大陪審を設置したとのニュースは、捜査範囲の拡大を示唆する。これに先だって米大統領補佐官(国家安全保障担当)だったマイケル・フリン氏の会社が登録されているバージニア州アレクサンドリアの連邦裁判所では、大陪審がすでに同氏の活動に関する捜査を開始している。フリン氏はキスリャク前駐米ロシア大使との接触について情報を公開しなかったことを批判され、就任後3週間で辞任した。

1.大陪審とは何か

中世イングランドの名残である大陪審は一般市民から選ばれ、刑法に基づく起訴が妥当かどうかを証拠・証言に基づいて検討する。合衆国憲法の修正第5条は「何人も、大陪審による告発または正式起訴によらなければ、死刑を科しうる罪その他の重罪につき公訴を提起されることはない」と定めている。大陪審制度には検察権力の暴走を抑止する役割があると認識されている。刑事および民事の裁判で設置される陪審とは異なり、大陪審の審理は公開されない。世界で大陪審員制度を適用しているのは米国とリベリアの2カ国のみ。

2.どのような仕組みか

大陪審は無作為に選ばれた多様な有権者23人で構成する。検察は大陪審の名において文書や宣誓証言を求める召喚状を出すことができる。ここでの虚偽の証言は偽証罪に問われる可能性がある。大陪審の審理は1週間に1度程度の頻度で数カ月に及ぶこともある。裁判の審理で原則とされる証拠法則はここでは一般的に適用されない。

3.なぜ非公開なのか

不起訴となった場合に捜査を受けた事実によって名誉が傷つくことを防ぐ目的で、審理は公開されない。大陪審は証拠に基づいて有罪かどうかを判断するのではなく、起訴すべきかどうかを検討するものであるため、この意味は大きい。

4.ワシントンでも大陪審を設置した理由は

ホワイトハウスはワシントンに所在する。トランプ大統領はここで執務する。大統領の娘婿で上級顧問を務めるジャレッド・クシュナー氏を含め、捜査線上に浮かぶ複数の人物がワシントンにいる。クシュナー氏と、トランプ陣営の選対本部長だったポール・マナフォート氏、大統領長男のドナルド・ジュニア氏は昨年、ヒラリー・クリントン氏を不利にし得る情報があると仲介者に誘われて、ロシア人弁護士と面会している。

1/2ページ

最終更新:8/10(木) 1:10
Bloomberg