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超特急 「8号車の日」に開催した8号車愛満載の5周年記念ツアーファイナル/レポート

8/11(金) 12:00配信

エキサイトミュージック

 
■超特急/【Bullet Train 5th Anniversary Tour 2017「Trans NIPPON Express」】ライブレポート
2017.08.08(TUE) at 東京国際フォーラム ホールA
(※画像22点)

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「年に1度の日、最高の日にしよう」

今年6月に開催した日本武道館でのCDデビュー5周年を記念スペシャルライブを大成功させた超特急が、4月からスタートした自身最長最多となる全国ツアーの千秋楽を東京国際フォーラム ホールAで開催した。愛を込めてファンを「8号車」と呼ぶ彼らが、8月8日という記念すべき日にファイナルを決行したのもなんとも超特急らしい。

主役たちの登場を待ちわびる熱気の中、会場が暗転すると悲鳴にも似た絶叫が轟いた。巨大な3枚のLEDパネルには、1号車のコーイチの映像が映し出され、ますます熱気を帯びて……と感じたその瞬間、暗闇からリアルなコーイチが現れたのだから、会場のテンションは急上昇! こうしてメンバー1人ビジョンに映し出されてはステージに現れる形で、最終公演の火蓋は切って落とされた。



クールなデジタルビートが轟く「We Can Do It!」ではカイが「カモン!」と誘いかけ、それに応じるように8号車たちの熱い声がこだました。どこかおどろおどろしいムードの漂う「Believe×Believe」は、超特急が掲げてきた「ダサカッコイイ」を分かりやすく伝えてくれる楽しいナンバーだ。

いい感じに8号車たちの表情もほぐれてきたところで、リーダーのリョウガが「8号車の日、楽しもうぜ!」と呼びかける。続いて、「みんな、ペンライトをつけて」とユーキが誘い「No.!」で、君が一番だよと歌いかける。ファンにはたまらないメッセージだ。

「バカ騒ぎしようぜ」とタカシが呼びかければ、ユースケは「8号車、行くぞ。準備はいいか? 声出して!」と熱い言葉で観客を煽る。「Burn!」では文字通り燃えるようなアツさでファンも応じ、メンバーカラーの色とりどりのペンライトが上下に踊っていた。



メンバーの自己紹介ソングとも言える「Superstar」では、ユーキはアクロバティックに宙を舞ったり、ユースケは元気いっぱいに早口言葉を披露するなど各メンバーの個性がぎゅっと濃縮されて見えるのが楽しい。また、8号車たちはわずかな隙間も合いの手を入れるのを決して忘れない。この見事な掛け合いは、彼らが5年間かけて築いてきた絆そのものなのだろう。

「(単独では)3年ぶりとなる国際フォーラム、皆さん楽しんでますか?」と礼儀正しくリョウガが尋ねれば、カイは「今日は8月8日、8号車の日です」とスポークスマン的役割で続く。いつもにこやかなユーキは「声出す準備、できてますか?」とファンとの距離をさらに縮め、パワーが有り余るユースケは意味不明に「ウォー!」と雄たけびを上げメンバーや8号車たちの笑いを引き出す。こんな具合に、短いCMの中にも際立つ個性が見えるのも超特急が愛される理由だろう。

エアバーストが号砲となり、5周年記念ソング「超ネバギバDANCE」へ。本作で彼らの念願だった電車とのコラボが英国のユーロスターで実現したばかりか、自身初のオリコンウィークリーチャート首位を獲得した記念碑的作品だ。



「年に1度の日、最高の日にしよう」とリョウガが叫んだ。メンバー全員も同じ思いだったようで、大人っぽいスムースなナンバー「DJ Dominator」で全員がステージから客席通路へと降りはじめたではないか。この贈り物に8号車たちはもちろん大熱狂し、一段とペンライトを振る手に力が入ったのは言うまでもない。

「超特急と一緒に最高の『Summer love』を」とユーキがチャーミングに誘った夏ソングに続いて、ステージ中央の階段上の山台にメンバー全員が腰掛けながら揺れる「One Life」では、コーイチが何度もユースケが座るのを邪魔する一幕も。そんな仲睦まじい光景が見られるのもまた、超特急のライブの大きな魅力だ。

中盤の見どころは、なんと言っても千秋楽の特別編成となった30分にも及ぶノンストップメドレーだろう。ハッピーな「Pretty Girl」のイントロが鳴ると8号車のテンションはさらに上がり、より激しく左右にペンライトが揺れ始めた。力強くアンセミックなナンバーで会場全員で心を1つに合わせたかと思えば、「Shake body」ではコーイチとリョウガ、ユーキがステージを飛びだし、続く「panipani」で残る4人も気持ちを抑えきれずにより8号車に近づこうと舞台の下手(しもて)へと移動した。



熱気が高まる中、タカシがソロで「refrain」で一人一人に優しく歌いかける。「Turn Up」ではいつも笑顔でおちゃめなユーキが身体能力の高さを生かした躍動感あふれるソロダンスで魅了する一方、普段はクールでミステリアスなカイが「LIBIDO」ではトロッコに乗り長ゼリフでオタクっぷりを吐露し「早くリア充になりたーい!」と絶叫。また、コーイチは大人の魅力全開で艶っぽく「STYLE」を熱唱し、寡黙なタクヤは「Beasty Spider」で鍛え上げられた肉体でしなやかかつ野生的な美しさが光るダンスを披露するなど、個々のパフォーマンスで“カッコよさ”も堪能させてくれた。

かと思えば、「ikki!!!!!!!」からの「POLICEMEN」の流れでは、ユースケが悪代官になって逃げ回る小芝居を展開。時代がかった大げさな芝居で客席に乱入すると、8号車たちをこの日一番の笑顔に。ポリスマンに扮したカイとタクヤ、ユーキに追い詰められたユースケが最後に救いを求めたのは、リョウガ……ならぬロン毛のウィッグをかぶったリョウコだった。2人の夫婦漫才のようなやり取りに会場からは爆笑が起きていた。

笑いもときめきも詰め込まれた超特急ならではのメドレーは、希望に溢れたメッセージソング「走れ!!!!超特急」で無事、終着駅へとたどり着いた。汗にまみれた7人が縦列になり肩に腕を乗せて列車のようにつながる姿は、不思議と感動的なものだった。



メドレーが終わっても、超特急は止まらない。息つく間もなく新曲「My Buddy」へとなだれ込む。本作のインタビューで、ポップで耳なじみの良いナンバーに合わせた振り付けがあり、それをライブで一緒にやれってもらえたら嬉しいとメンバー自身が語っていたが、8号車たちはその想いをちゃんと汲み取りっていた。全員参加による振り付けで、ますます会場が一体となりアットホームな空気で満ちたことをその場にいた誰もが肌で感じたにちがいない。

山場を越えたメンバーは、リョウガの「4月からのツアー、23公演にはいろんな思い出があるね」という問いかけにツアーを振り返り始めた。「毎回『Superstar』ではご当地に関係した替え歌を盛り込むのが楽しかった」とユースケ。「武道館で(勢い余って)ズボンがパカーンと(笑)。今着てる、この衣装です。今日は修繕してあるから大丈夫(笑)。『ikki!!!!!!』のツアーで(下着の)パンツを履き忘れてレギンスだけで出て行った時と同じくらいの衝撃だった」とユーキはドジっ子らしいエピソードで会場を沸かす。

そんなユーキと一緒にバッティングセンターに行ったことを話し始めたコーイチに対し、タクヤが「ちょっと待って! その時、俺もいたんだけど!」と割って入ってきた。コーイチは「忘れてたわけじゃないよー」とすかさずフォローするも、ちょっぴり不満気なタクヤ。そんなじゃれ合いもまた、8号車にはたまらない瞬間だ。


かと思えば、元気印のユースケは各地でかなり“ご飯モンスター”ぶりを披露していたらしい。カイによると「北海道で食べたラムのしゃぶしゃぶは絶品だったけど、3皿くらい食べた後にユースケが『初めて食べたみたいに美味しい』って言ってた(笑)」のだとか。タカシもユースケのご飯猛者ぶりに驚いたようで、「本番30分前なのにうどん10玉くらい食べてた」と呆れていた。

とりとめのない会話で延々と続くかと思われたMC。カイが綺麗にまとめてみせると、8号車たちからはねぎらいと感動の拍手が贈られた。メンバーのどんな些細な頑張りをもちゃんと見ていてくれる8号車の存在の大きさを垣間見た気がした。

タクヤが「皆様、最高の時間を共に過ごしてください!」と呼びかけ始まった「Yell」でいよいよ本公演も終盤へ。ジャジーにアレンジされた「バッタマン」で、このツアーのためにメンバー自身が導入を決めたというデジタルポイが登場。両手にヌンチャクのように持って振り回すと、光の残像によって描かれる炎や「超特急」のロゴなどが空中に映し出される。最新の演出に8号車は目を見張っていた。



「fanfare」では、ツアーでカメラマンを務めたタクヤが撮影した写真がビジョンに映し出された。メンバーだからこそ切り取れる素顔に、彼らの信頼関係が透けて見えるようだ。ちょっぴり危険な香りのするセクシーな恋ソング「KISS ME BABY」は、それぞれが渾身の投げキッスを送り、会場はその度に悲鳴にも似た歓声が轟いた。そんなさなか、「8号車のみんな、ラストスパート! 限界超えて行こうぜ」と煽るのだから、心を鷲掴みされないはずがない。

「ついにラストの曲です」とコーイチが告げ、流れてきたのはツアーのテーマソングでもある「gr8est journey」だった。全速力で突っ走り続けてきた超特急が、この歌詞のように「レールの先の先まで」走った先にはどんな景色が待っているだろうか。金銀の紙吹雪が煌めき舞う多幸感溢れる空間の中で、まだ見ぬ景色に思いを馳せたファンも少なくなかっただろう。

熱烈なアンコールに応えて、メンバーが再登壇。それぞれが感謝の気持ちを伝えていたなかでも、日頃は割と口数の少ないタクヤの言葉が印象的だった。「最高の時間をありがとうございました。今までで一番長いツアーで、初開通の場所も多かったんですが、会場ごとに初乗車の方も想像以上に多くてうれしかった。頑張りますので、これからもよろしくね!」。最後は少し照れ隠しもあってファニーな表情を見せたが、きっとタクヤだけでなくメンバー全員がこのツアーでの手応えを感じているに違いない。



一度は舞台裏に引っ込んだが、普段は見られない舞台裏での会話がビジョンに映し出されると、「まだまだ遊び足りない」と7人の意見が一致。ダブルアンコールに応えた。「超えてアバンチュール」でオールラストの喜びと寂しさと余韻に浸っていると、画面にさらなるサプライズが用意されていた。年末年始にかけ約5万人を動員するアリーナツアーが発表されたのだ。幕張メッセを皮切りに横浜、名古屋、大阪をめぐる超特急史上最大のアリーナツアーは、彼らも8号車もまだ見たことがない「先の」景色。だが、5万5千人を動員したこのツアーを乗り切った自信と経験値を胸に、超特急はこの日魅せたパフォーマンスをきっと超えて見せるだろう。その雄姿を見るのが待ちきれない……そんな気持ちになる夜だった。
(取材・文/橘川有子)