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山口・佐賀知事インタビュー オスプレイに漁業者理解「避けて通れぬ」

8/11(金) 7:55配信

産経新聞

 佐賀県の山口祥義知事が産経新聞の取材に応じ、陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの佐賀空港(佐賀市)配備計画について「自治体は国防に協力すべき立場だが、(有明海の)漁業者の理解は避けては通れない」と語った。山口氏は漁業者との直接協議に前向きな姿勢を示した上で、国にも漁業者への誠意ある対応を求めた。(高瀬真由子)

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 北朝鮮の問題や、中国の南シナ海への進出など、安全保障環境が大きく動いている。その中で自治体は、国防に協力すべき立場だと思っています。

 この問題に関しては、スケジュール感を持たずに愚直にやってきました。防衛省の要請に向き合い、答えを出している途中です。

 ただ、オスプレイの配備予定地は、漁業者が地権者です。防衛省側は強制収用はしないと言っており、漁業者が一定の理解をしないと、(配備は)難しい。

 漁業者から、さまざまな方法で意見を聴取しています。簡単にいうと、国の公共事業、諫早湾干拓事業に対する不信感が根強い。

 しっかり漁業者と向き合ってもらうように、国に話をしています。佐賀県は、国と漁業者の調整作業を進めます。国防は極めて重要な課題ですが、漁業者の思いを大切にしながら進めないといけません。漁業者の理解を得ることを、避けては通れません。

 また、オーストラリア沖での墜落事故で、県民に不安に思う声がある。機体の安全は極めて重要です。

 まず、原因究明が必要であり、答えが出ないうちに何かが決まることは常識的にはありません。防衛省には、原因究明と情報開示、説明責任を果たすことを求めています。

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 諫早湾干拓事業の問題は混迷を極めています。これからの対応が大切な局面になり、(漁業者と知事の協議も)あり得ると思います。

 国には、有明海再生に向けて、長期的なスパンで取り組んでほしい。

 私自身の考えとしては、自然環境は維持した方がよいと思う。人が手を加えるべきではありません。干拓事業は国策で行われたのですが、反省点を、もたらしていると思います。

 原発や新幹線など国政と関係するテーマで、安倍晋三政権には総じて佐賀県政と真摯(しんし)に向かい合ってもらっています。

 ただ、農林水産省だけは、(佐賀の)漁業者の思いを受け止めているのだろうかと感じます。気持ちが通った感じがしない。残念です。漁業者は農水省に振り回されていると感じ、国への不信感がある。

 漁業者にとっては何々省といった意識はなく、防衛省も農水省も一つの「国」です。今後も、さまざまな手段や方策を用いて国と折衝していきます。

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 九州新幹線長崎ルートを全線フル規格にすれば、佐賀県の追加負担は800億円です。県民1人あたり10万円になります。(県内の)嬉野市と武雄市がフル規格を求めていますが、他の地域のことを考えれば、地元負担は大きな課題です。

 今のスキームでは、フル規格を議論する前提になっていません。佐賀県の追加負担の前に、国の予算でも高いハードルがあります。(フル規格は)現実的ではないと思っています。

 暫定開業であっても、佐賀県は200億円以上の地元負担を強いられます。

 佐賀県としては、平成34年の暫定開業時に武雄温泉駅で乗り換えていただくことは、(地域振興に)生かせる。佐賀県という旅行先を良いものにするため、それを最大限生かして、まちづくりを応援する。

 もちろん、西九州全体を考えれば、リレー方式が長期化するのはどうか、というのも理解しています。

 新幹線の最大のメリットは、関西圏から直接、新幹線が入ってくることです。そのためにどういう方法があるのか。提案があれば、検討しなければいけないと思っています。

最終更新:8/11(金) 7:55
産経新聞