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中国地震死者20人 九寨溝の湖決壊、景観被害が観光に打撃

8/11(金) 7:55配信

産経新聞

 【成都=西見由章】中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝(きゅうさいこう)県で8日夜に起きた地震で、世界自然遺産に登録されている九寨溝の景観に大きな被害が出ている。観光客受け入れ再開に向けためどは立たず、10月までの本格的な観光シーズンを迎えたばかりの地元経済にとってもダメージとなりそうだ。

 九寨溝エリアは1992年、その「景観と歴史的価値」によって遺産登録された。

 海抜4800メートルにも及ぶ渓谷に108の湖が点在し、ジャイアントパンダなどの希少な野生動物も多く生息している。透き通ったエメラルドグリーンの湖は「おとぎの国の風景」として形容される。

 陽光を受けて水面が火花が散るようにきらめくことから名付けられた観光名所の湖「火花海」。九寨溝管理局によると、地震で長さ50メートル、幅20メートルにわたって決壊し「深刻な損害を受けた」という。10日付の成都商報が掲載した火花海の空撮写真からは、湖の水がほとんど放出されて干上がり、湖底の大部分がむき出しになった様子が確認できる。

 九寨溝は7月から観光シーズンに入り、訪問客は同月末から連日3万人を超えていた。地震発生時には、日本人も含めて少なくとも、120人以上の外国人観光客が周辺にいたとされる。

 地震による死者のうち少なくとも6人が観光客だった。地元メディアによると地震の発生直後、九寨溝から宿泊先まで移動していた大型観光バスを落石が直撃し、とっさに小学6年の娘をかばった湖北省の夫妻が死亡したという。

 管理当局は、発生翌日の9日から九寨溝への観光客の受け入れを停止している。

 地元政府によると、10日昼までに確認された死者は20人、負傷者は431人に上り、うち18人はけがの程度が重いという。

最終更新:8/11(金) 7:55
産経新聞