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<夏の高校野球>鳴門渦潮 まとまり契機は両校OBの連帯

8/11(金) 21:05配信

毎日新聞

 ◇12日の1回戦に登場 鳴門工、鳴門第一が統合し発足5年

 夏の甲子園で12日の1回戦に登場する鳴門渦潮(うずしお=徳島)は、ともに出場経験があった鳴門工、鳴門第一が統合して発足してからまだ5年。当初はメンバーそれぞれが前身の伝統を引きずり、一体感のない時期もあった。両校OBが新チームの甲子園出場を後押ししようと率先して「雪解け」し、ようやく大舞台への切符を手に入れた。

 「練習量は徳島県内のどこにも負けなかった。そんな伝統が消えてしまうのか」。田口将之選手(3年)は2012年の統合が決まった時、鳴門工野球部OBの父博之さん(48)が嘆く様子をよく覚えている。すぐに受け入れられない気持ちがあったのは、練習時間より、選手の自主性を重んじてきた鳴門第一のOBも同じだ。

 徳島大会ではしのぎを削り、鳴門工は春夏各5回、鳴門第一は夏1回、春4回の出場を誇り、互いに名門意識があった。

 チームが一つになった後も、弁当は前身校のグループで固まって食べ、練習方針を巡る対立で退部する選手もいた。まとまりを欠いたまま試合に臨み、徳島大会で優勝を逃し続けた。

 両校OBも試合では別々の場所から応援。元球児が出身校ごとのチームで日本一を目指す「マスターズ甲子園」も、鳴門工のOBだけが出場していた。

 転機が訪れたのは昨年だった。鳴門工OBから「『鳴門渦潮』としてマスターズに出ないか」と声が上がり、鳴門第一OBに呼びかけ統一チームを結成した。鳴門渦潮のグラウンドで練習を重ね、徳島大会で優勝、11月の本大会に出場した。博之さんは「同じ空間で一緒にプレーし、最初から一つの学校だったような気持ちになった」と振り返る。

 刺激を受けたのが現役選手たちだ。田口選手は「ライバル同士だった人たちが一つになってマスターズ出場を勝ち取った。自分たちも頑張ろうと思った」と話す。ミスも減り、徳島大会で昨夏は決勝で敗れたものの、今夏は各試合の失点を0~2点に抑えた。

 松崎健太主将(3年)は「OBの期待を感じる。渦潮の校歌を聞いてもらいたい」と力を込めた。夢を託された選手たちは12日第2試合で日本文理(新潟)と対戦する。【大坂和也、潟見雄大】

最終更新:8/11(金) 21:48
毎日新聞