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迷ったらすぐ心臓マッサージやAED 「死戦期呼吸」とは?

8/11(金) 7:02配信

BuzzFeed Japan

新潟県の高校で7月、野球部マネージャーの女子高生(16)が練習終了後に走って学校に帰った直後に倒れ、低酸素脳症で亡くなったと報じられた。駆けつけた指導者は「呼吸は弱いけどある」と判断し、AED(自動体外式除細動器)は使わなかったという。

これについて、SNS上では「突然、心停止になった時に起きる『死戦期呼吸』を見逃したのではないか」という推測が広がった。この女子高生が実際に「死戦期呼吸」をしていたのかどうかは定かではないが、この聞き慣れない名前の呼吸、突然倒れた人が発している危険なサインの一つだ。

BuzzFeed Newsは、心臓病や不整脈に詳しい、立川病院病院長で日本AED財団理事長でもある三田村秀雄さんに、「死戦期呼吸」とは何か、突然目の前で人が倒れた時にどのように対応したらいいかお話を聞いた。【岩永直子 / BuzzFeed Japan】

突然心停止を起こす原因は? 「死戦期呼吸」とは?

そもそも、突然、若い人が倒れて低酸素脳症に至る原因としては何が考えられるのだろうか。

「低酸素脳症とは、何らかの理由で心臓が止まった後、頭に十分に血液が流れなくなって酸素不足が続き、脳の働きに障害が起きた状態のことを言います。心臓が止まる原因としては、中高年では心筋梗塞が多いですが、若い人では色々な可能性が考えられ、いずれも心室細動という重い不整脈が突然発生して起きることがほとんどです」

「心室細動になると、心臓は規則的に拍動せず、細かく震えるだけで血液を全身に送り出すポンプの役割を果たせなくなります。いわゆる心停止の状態です。若い人の場合、冠動脈の奇形や肥大型心筋症など先天的な病気が潜んでいる場合や、少し前に風邪をひいたことによる心筋炎や野球のボールがぶつかるなど心臓に強い衝撃を受ける心臓しんとうなどの後天的な原因が影響した可能性もあります」

「通常、3秒でめまいがし、5秒で意識を失って倒れます。その後10秒ぐらいで呼吸が止まるのですが、しゃっくりのようにゆっくり喘ぐ、不規則で異常な呼吸をしばらく続けることがあります。これがいわゆる『死戦期呼吸』です」

なぜ「死戦期呼吸」は起きるのだろう。

「メカニズムははっきりとわかっていませんが、心室細動が起きて、脳に血流が届かなくなっても、すぐに脳の全てが活動を停止するわけではありません。酸素が不足した脳が何とか血流を取り戻そうとあがいて、無理に呼吸のような顎の動きを起こさせるのかもしれません。この異常な呼吸も、通常数秒から数分で止まります。人が老衰などで亡くなる時に下顎を上げてする下顎呼吸に近いものがあります」

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最終更新:8/11(金) 7:02
BuzzFeed Japan