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重工5社、研究開発投資2ケタ増 環境・新エネ技術でGE・シーメンス迎え撃つ

8/11(金) 14:52配信

日刊工業新聞電子版

■環境・エネ分野にリソース割く

 総合重工メーカー5社の2017年度の研究開発費総額は、前年度比1割増の2840億円程度になる見込みだ。省エネルギー化や再生可能エネルギー関連技術の開発を加速するほか、自動化システムの高度化により生産性を高める動きなどが目立つ。

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスといったコングロマリット(巨大複合企業)に加え、中国・韓国勢とのつばぜり合いが激化するなか、研究開発の底上げで競争力強化の一助とする。

 17年度は全5社が前年度を上回る研究開発投資を計画し、2ケタ増を見込む社が大勢を占める。各社が共通して掲げるテーマの一つが環境・エネルギー分野だ。既存事業の基盤固めのほか、次代を担う経営の柱に育てるべく各社が同分野にリソースを割いている。

 三菱重工業は火力発電設備の中核機器であるガスタービンの高効率化を進めている。航空機エンジン技術を組み合わせた機種やタービン入り口温度が1650度C級モデルなど、次世代機種の開発が軸となり、ライバルのGEやシーメンスと対峙(たいじ)していく。

 川崎重工業やIHIは、水素関連技術の開発に力を入れる。川重は豪州で水分や不純物が多い低品位の褐炭から製造した水素を日本に輸送して使用するプロジェクトに参画。発電や運搬・貯留技術の完成を目指す。

 IHIは水素の輸送や貯留を容易かつ低コストにできると期待される、アンモニアの利用技術の開発に拍車をかける。

 三井造船や住友重機械工業は、外部資源の活用で開発力を向上させる。三井造船は資源採掘システムの独MHヴィルトと、日本の排他的経済水域(EEZ)内におけるメタンハイドレート回収技術の業務提携を発表。両社の知見を組み合わせ、回収技術の確立につなげる。

 住重は17年3月に、英エイメックフォスターウィラーの循環流動層(CFB)ボイラ事業の買収を発表。これまで手がけていなかった中・大型製品を獲得するほか、新型機種の開発でもシナジーが期待できる。