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福井を愛するインド屈指のラッパー

8/11(金) 14:44配信

福井新聞ONLINE

 福井を愛するラッパーがインドを席巻―。母親が福井市出身で、生まれ育ったインドを拠点に活躍する日印ハーフのBIG DEAL(ビッグ・ディール)=本名・荒木サミール理秀(りしゅう)=さん(28)。福井に本籍がある“福井人”だ。「インドで5本の指に入るラッパー」と称され、今年は初のオリジナルアルバムをリリースした。7月には、福井の名所や食を題材にしたご当地ソングも制作。「第二の古里にラップで貢献したい」と夢を語る。

>>福井にささげるラップソング【動画】

 ■母親が福井市出身

 ディールさんは、ベンガル湾沿いの聖地プリーで、インド在住の作家、モハンティ三智江さんとインド人の父との間に生まれた。「外見が異なることをからかわれたこともあった」という子ども時代。英語スクールに通っていた13歳の頃に出合ったのが米国の人気ラッパー、エミネムさんの音楽だった。自身の生い立ちを赤裸々に歌うラップは、悩みや苦しみを抱える思春期の少年の心に響いた。「ラップで自分の感情を表現したい」。夢中で曲を聴きまくり、リズムや韻の合わせ方を独学で覚え、曲作りに没頭する日々を送った。

 大学院を卒業後は、IT企業に勤めた。一度は堅実な道を選んだものの、プロへの夢を諦めず、音楽活動を続けた。徐々にマスコミにも注目されるようになり、2013年の24歳の時、念願のプロデビューを果たした。

 ■「5本の指」の実力

 16年にインドのエンターテインメント関連企業主催のコンテストでベスト・ヒップホップ・アーティスト賞を射止め、一躍名を広めた。「国内で5本の指に入る」「若い頃のエミネムを思わせる世界的スケールのアーティスト」などと高い評価を受ける。

 アルバムは「ONE KID WITH A DREAM」というタイトルで、自身の28年の人生を7曲に凝縮。「好きなことを追求し続け、苦境を乗り越えられれば、そこに満足できる何かが必ずある」と、子どもたちへのメッセージを込めた。インドで社会問題となっている差別にもアプローチした。収録曲のミュージックビデオはユーチューブ再生回数が14万回を超える。来年は、本場・米国西海岸に長期滞在し“武者修行”を計画している。

 ■インバウンド増へ貢献

 7月にアルバムのPRを兼ねて福井を訪れた。「自然と文明がうまく共存した、日本で一番美しい場所」と目を輝かせる。インバウンド(訪日外国人客)増につなげようと、英語のラップソング「FUKUI LOVE」を、来日に合わせて書き下ろした。

 福井城址(じょうし)や一乗谷、東尋坊などの名所旧跡や、ソースカツ丼、おろしそばといった食を歌詞に織り込んだ。「フクイエエトコ イチドハオイデ/僕らみんな福井が好き/フクイダイスキ」と自作のトラックに乗せ、軽快に韻を踏む。「福井の皆さんに、ぜひ聴いて楽しんでほしい」と笑顔を見せた。

福井新聞社