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呪いだとは思わない。「ジブリ後継者」と呼ばれる米林監督が魔女の映画を作った理由

8/11(金) 11:10配信

BuzzFeed Japan

7月に公開された『メアリと魔女の花』。キャッチコピーは「魔女、ふたたび。」。ホウキにまたがる少女が奮闘する姿を見ると、『魔女の宅急便』を思い出す人もいるだろう。映画公開後に「なぜジブリの冠を継がなかったのか?」という記事も出るほど、その関係に注目が集まる。「宮崎駿の後継者」とも呼ばれる米林宏昌監督は何を思うのか。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】

ジブリの美しい背景美術がいま、消えようとしている

スタジオジブリを去る時、「さよなら」も言えなかった

「麻呂」との愛称で慕われる米林は『思い出のマーニー』を手がけた後、2014年にスタジオジブリを退社していた。宮崎駿監督が「引退宣言」をし、制作部門を解散したためだ。

「宮崎駿監督の後継者」とも呼ばれる米林は、スタジオ解散の通達を事前に聞かされていた。「この日が来たのか」と思うのと同時に「何十人といるスタッフはこれからどうなるんだろう」と考えた。「手のひらが冷たくなるような思いだった」。

『マーニー』の公開後、キャンペーンで全国行脚している最中にスタッフは既にスタジオを去っていたため、現場のスタッフに「さよなら」さえ言えなかった。長い歴史はひっそりと閉じる。

退社後、『マーニー』でタッグを組んだ西村義明プロデューサーから「映画、作りたいですか?」と話を持ちかけられた。すでに腹は決まっていた。

「映画を作りたい」

この、2人のやり取りで西村が立ち上げたのが、スタジオポノックだった。映画を作りたいと言ったものの、スタッフ、制作費、スタジオ……すべてがない状況は「不安しかなかった」。

魔女を描く? 『魔女の宅急便』と同じことをやるのか?

米林と西村がスタジオジブリで作った『思い出のマーニー』は、心を閉ざした少女の精神世界を描く静的なものだった。繊細な描写は世界から評価されたが、「次は逆をやりたい」と2人は考えていた。

そこでスタジオポノックが第一作目に選んだのが、ファンタジー要素の強い『メアリと魔女の花』だ。メアリは、魔法の力を得て冒険に出るが、最終的に不思議な力は消えてしまう。それでも、傷だらけになりながら自分の足で前に進む。西村はメアリに米林の姿を見ていた。だから提案していたのだ。

しかし、魔女を描くとなると、どうしても頭に浮かぶのは 『魔女の宅急便』だ。比べられはしないか?

そう思う人は多いだろう。もちろん、米林も例外ではなく、西村から推された「魔女」に対してメーテル・リンクの『青い鳥』を提案したこともあった。

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最終更新:8/11(金) 11:10
BuzzFeed Japan