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道路の名前、売ってみたらどうなった? 旧に復した「箱根ターンパイク」の10年間とは

8/11(金) 10:40配信

乗りものニュース

トーヨータイヤとマツダの名が道路名に

 神奈川県西部の有料道路「MAZDAターンパイク箱根」が、2017年8月1日(火)に「箱根ターンパイク」へ名称を変更しました。

【地図】「箱根ターンパイク」の位置

 この道路、そもそも「箱根ターンパイク」が本来の名称です。道路を管理する箱根ターンパイク株式会社(小田原市)が2007(平成19)年に日本で初めて道路のネーミングライツ(命名権)を販売し、東洋ゴム工業(兵庫県伊丹市)が権利を取得、「TOYO TIRES ターンパイク」になりました。その後、2014年にはマツダがこれを取得し、「MAZDAターンパイク箱根」へと変わりました。

 これにともない、沿道に位置する商業施設「大観山スカイラウンジ」も「TOYO TIRES ビューラウンジ」「MAZDAスカイラウンジ」と名称変更を重ね、8月1日からもとの「大観山スカイラウンジ」に戻っています。

 10年間、どのようなことがあったのでしょうか。箱根ターンパイクに聞きました。

――なぜ「箱根ターンパイク」に戻ったのでしょうか?

 マツダ様と交わした契約の期間が満了したことにともなうものです。

――そもそもなぜ道路のネーミングライツを販売したのでしょうか?

 収入確保のほか、こちら側のPRとしての側面も大きいです。2007(平成19)年当時、スタジアムなどでネーミングライツの導入が話題になっていたことから、当社の道路でも取り入れることとしました。最初のネーミングライツパートナーとなった東洋ゴム工業様とは、「社名やブランド名が道路名になればPRにつながる」と意見が合致したことで実現しました。マツダ様とも同様の理由で契約を結んでいます。

看板掛け替え、地図会社にも連絡… それでも大きなメリット

――道路名称の変更に際しては、どのようなことを行うのでしょうか?

 ロゴマークや看板、案内表示などの変更はもちろん、地図会社様、カーナビ会社様、そしてラジオの交通情報などを提供されている日本道路交通情報センター様などにも名称の変更を申し入れました。「箱根ターンパイク」に名称変更した現在も、各機関にはできる限り早く呼称を変えていただくようお願いしています。

――別の名前になっていたときは、どのようなことがあったのでしょうか?

 収入がもたらされるだけでなく、たとえば「MAZDAターンパイク箱根」の時代にはマツダ様のイベントに道路を使っていただくこともあり、名称が新しいお客様との接点にもなったと思います。一般のマツダファンの方が「せっかくだから『MAZDA』の道路で」と、趣味のオフ会を開かれることもありました。

――今後はどのようにしていきますか?

 ネーミングライツにご興味がある企業と意見が合致すれば、新たな名称になる可能性もあるかもしれません。当社からもいくつかの企業に対して働きかけを進めています。

※ ※ ※

 2017年8月8日(火)現在、現地の案内表示や看板は「箱根ターンパイク」に変更されているといいますが、インターネットの地図などでは未だに「MAZDAターンパイク箱根」となっているものも見られます。箱根ターンパイクは「地図などに変更が反映されるまでには時間がかかる」とし、そうした「看板の掛け替えや地図会社様への連絡といったコストを差し置いても、ネーミングライツによるメリットの方が大きかった」と話します。

 このような道路や道路施設のネーミングライツ販売は、徐々に広がってきているようです。インターネットで「道路ネーミングライツ」と検索してみると、多くの自治体で市道や歩道橋などのネーミングライツを販売している事例が見られ、すでに市道などで導入しているケースもあります。

乗りものニュース編集部