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日本勢初の海外メジャー制覇へ、松山恩師が太鼓判「ショットは世界一、他の選手はビビっている」

8/12(土) 16:56配信

夕刊フジ

★明徳義塾中学・高校ゴルフ部総監督 高橋章夫氏

 現在世界ランキング3位、米ツアー賞金ランキングトップ。前週の「ブリヂストン招待」でも今季3勝目、米ツアー通算5勝目を挙げた松山英樹(25)は、いよいよ「全米プロゴルフ選手権」(10日開幕、米ノースカロライナ州クウェイルホローC=パー71)で日本勢初の海外メジャー制覇が現実味を帯びている。明徳義塾中学・高校(高知県)時代の恩師、高橋章夫ゴルフ部総監督(67)が、知られざる青春時代の素顔を明かし、今週末の“戴冠”に太鼓判を押した。(飯田絵美)

 --「ブリヂストン招待」は圧勝。松山が調子を上げている

 「ショットは世界一。パターさえ入ればいつでも勝てる。その安定感に、他の選手はみんな『パターが入ったら恐ろしい』とビビっているんじゃないですか」

 --日本勢初の海外メジャー制覇が待ち遠しい

 「『メジャー、いつ取りますかね?』といった質問を受けると、私は『そのうち必ず取るでしょう』と返すんです。“コツコツ努力する”という言葉があるけれど、コツコツ以上に練習をする子。まだまだ努力していて、まだまだ進化しているのですから」

 --プロ転向後、早々と米国へ渡った

 「高校3年のとき、『このままプロになりたい』と本人や親から言われました。僕は『高校日本一(2008年全国高校ゴルフ選手権優勝)で満足してプロになっても仕方がない。もっと大きく活躍するためには、大学へ行って高いレベルでやった方がいい。人間的な視野を広げることもできる』と大学進学を勧め、彼も納得しました。米ツアー参戦も同じ。広い世界で活躍したい気持ちがあるなら行けばいいと思いました」

 --飛距離が日本人離れしている

 「愛媛県松山市出身で、中学2年で転入してきたとき、身長は160センチに満たず細身。走って速いとか、バネがあるとか、特別に運動神経がいいという印象もなかった。そんなに球が飛ぶ子でもありませんでした。しかしアプローチ、バンカーショットがすごく上手。そこでテクニックを磨きました。大学に入ってから体がどんどん大きくなり、ゴルフも大学で大きく伸ばしていただきました」

 --松山のスイングの特長は

 「腰が水平に回るレベルスイングです。だから腰痛が起きないし、長くゴルフができる。中学生の頃は少し反るスイングで、しばらくすると腰が痛いと言い出した。おへそが上を向いていました。そこを意識するようになってから、クラブの軌道も安定した。いま、理想じゃないですか。一番簡単でシンプルな打ち方をしています」

 --中学・高校時代に優れていたところは

 「ゴルフに対する執着心がすごかった。誰もマネできなかった」

 --中学・高校での練習は

 「明徳義塾ゴルフ部の練習量は、少ないと思います。授業が終わって午後3時半から6時まで。寮生活なので食事時間は決められているし、朝礼や夕礼、自習時間もある。夜間練習は、1カ月後に大会がある場合に許可されますが、週3回まで。英樹は『もっと練習したい』と朝4時半に起きて校庭の周りをランニングしたり、自主的に朝練をしていました。僕は生徒にひもじい思いをさせたいと思っている。『もっと練習したい』というひもじい思いをすれば、練習時間を大切にして、より集中します」

 --生徒たちに必ず伝えていることは

 「僕は(監督時代には)寮に住み込んでいたので、夜のミーティングで『ジャンボ(尾崎将司)はなぜ強いのか。それは、日本の国民みんなが応援しているから強いんだよ。タイガー・ウッズが強いのは、世界中の人々が彼を応援しているからだ。職員室にいる先生方から、頑張ってこいよ、と声をかけてもらうために、勉強も頑張って、生活態度もきちんとして、みんなに喜ばれるような選手になりなさい』と。どれだけ応援してくれる人を増やせるかが大切です」

 --松山は4歳からゴルフを始めたとか

 「お父さんはもともとバレーボールの選手で、体が大きかった。ゴルフも好きでトップアマになった人。その影響でしょう。体が大きくなったのも、お父さんに似たのだと思います」

 --いま、どんな思いで松山のプレーを見ているのか

 「全英オープンの最終日(7月23日)を見ていたら、1番ホールの第1打でOBをたたき事実上優勝の望みが消えた後も、普通の表情で普通に歩き、次の2番ホールで黙々とパーを取っていた。『一生懸命に耐えて頑張っているな』といじらしくなりました。本人は何度も優勝し、いまや失敗しても動じない強さがあるのでしょうが、僕にはいまだに中学生、高校生の頃の英樹が重なって見えるんです」

 --いまも松山と親交がある。高橋総監督は“もう一人の父”、明徳義塾は“第二の故郷”だ

 「昨年の暮れに会いました。明徳義塾が好きな子で、よく学校を訪ねてくれます。職員室に行って元の担任の先生と話したり、いまも偉ぶらず、気さくなままですよ」

 ■高橋章夫(たかはし・あきお) 1949年11月20日、高知県土佐市出身。明徳義塾中学の創立時は野球部監督。高校が創立され、ゴルフ部監督に就任。25年以上、学校敷地内の寮に住み込み部員の指導を行った。2016年から総監督。日本ジュニア(個人)、全国高校選手権(個人、団体)、全国中学選手権(個人、団体)、国体などで同校ゴルフ部を18回、全国優勝に導いた。

最終更新:8/12(土) 16:56
夕刊フジ