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おかやま山陽野球部出場したらトランペットで応援を 亡き校長との約束果たす

8/12(土) 7:55配信

産経新聞

 □おかやま山陽吹奏楽部OB三宅さん

 春夏通じて初の甲子園出場を果たし、10日に登場した県代表のおかやま山陽。アルプス席から選手たちを後押しした吹奏楽部は、全日本吹奏楽コンクールに何度も出場している強豪だ。スタンドには、27年前に部を創設したOBの三宅卓さん(43)の姿もあった。「野球部が甲子園に出場したら応援に行ってほしい」。亡くなった前校長との約束を果たすため、この日の演奏に加わったという。

 三宅さんが入学した平成元年当時、吹奏楽部はなく、部員のいない吹奏楽同好会があっただけ。「吹奏楽部を創設したい」。そんな思いから、同好会のただ1人の部員となった。同年夏、県予選に出場する野球部の応援を学校から要請され、トランペットを持ってスタンドに向かい、懸命に応援した。

 たった1人でトランペットを吹き鳴らす三宅さんの姿に感銘した前校長の原田三代治さんが、吹奏楽部の設立を決意。楽器を購入し、指導者も外部から呼び寄せて翌年春に部が誕生した。

 部員も徐々に増え、部の運営も軌道に乗り始めた中、三宅さんは校内で原田さんから言葉をかけられた。「野球部が甲子園に行ったら、それが何年後であってもトランペットを持ってアルプス席へ応援に行ってやってくれ」。この約束は必ず果たすと胸に誓った。

 原田さんは昨年3月に亡くなったが、野球部は今夏、県予選を勝ち抜き、悲願の甲子園初出場を果たした。三宅さんも球場に駆けつけ、炎天下の中、現役部員に混じってトランペットを吹き鳴らした。

 試合は11年連続で夏の甲子園に出場している聖光学院(福島)に敗れたが、三宅さんは「選手たちのおかげで亡き校長先生との約束を果たせた。夢をありがとう」と感慨深い表情で球場を後にした。

最終更新:8/12(土) 7:55
産経新聞