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佐原船頭事故死 関係者「考えられぬ」 運行、当面は自粛

8/12(土) 10:44配信

産経新聞

 船頭の死亡事故が起きた千葉県香取・佐原地区の遊覧観光船。歴史的な町並みを川から眺める名物として観光客から人気は高かった。ただ、激流下りとは異なり、小野川をゆっくりと進む船で起きた事故だけに、関係者の衝撃も大きい。14日にはイベントも控える。行楽客の多い夏休みに起きた事故に、今後の影響を懸念する声も聞かれた。

 「船の運行が始まって10年以上になるが、初めての事故で考えられない」。現場の小野川に架かる中橋の近くで雑貨店を営む須本源太郎さん(70)は、驚きを隠しきれなかった。

 千葉県の観光入込調査報告書によると、「小野川沿い」へは52万人(平成27年)の観光客が訪れた。昨年、佐原の山車行事がユネスコの無形文化遺産に登録され、外国人観光客も増えている。観光船は、地面より下の位置を流れる川から町並みを眺めることができ、散策とは違った楽しみとなっていた。

 横浜市から観光で来ていた板垣望さん(41)は「乗船の予定まで立てていなかったが、事故を聞くと考えてしまう。ショックだ」。東京都新宿区の本田圭介さん(54)は「水郷も町の魅力の一つなのに、観光船の事故が起きるとは」と不安な様子だった。

 佐原地区では、14日に小野川に灯ろうを流す「夢灯ろう流し」が予定されている。古い商家の女将で作る佐原おかみさん会会長の岡沢真記子さんは「イベントには船も協力してもらっていた。気持ちの整理がつかない」と衝撃を受けた様子。呉服店の平塚智子さんも「船は佐原の名物。なるべく早く運行を再開してほしい」と話していた。

 船を運行する町おこし会社「ぶれきめら」の久保木一三社長(65)は取材に対し、「男性の遺族や、地域に迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝した。久保木社長によれば、死亡した男性は約2年前から船頭として働いていたという。船の運行は12日以降、しばらく自粛し、再開時期は未定といい、「再開できるまで、一から考え直していきたい」と話した。

最終更新:8/12(土) 10:44
産経新聞