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なぜ日本のデフレは止まらないのか? 思考をリセットしてみよう

8/12(土) 20:20配信

投信1

内閣改造でもデフレは止まらない-物価上昇2%が達成できない大きな理由は?

去る8月3日、第3次安倍第3次改造内閣が発足しました。ここのところ、さまざまな問題により安倍総理をはじめ閣僚への批判が相次ぎ、国民からの支持率が低下。そこで、これを食い止め、経済再生を成し遂げ、デフレを脱却するために内閣改造に踏み切ったというところでしょう。

しかし、日銀の黒田総裁は2%の物価上昇達成の見込みを再延期したばかり。延期発表は実に6度目です。当初アベノミクスが発表されたときは2年で2%の物価上昇率と言っていて、もう5年目ですから、先送りにもほどがあると言えるでしょう。

なぜ、目標が達成できないのでしょうか?  なぜ、デフレから本格的に脱却できないのでしょうか?  以前ベストセラーになった『デフレの正体』という本がありましたが、ここで言っているのは、人口減少がもたらす需要減こそがデフレの正体だということです。

確かに、人口減少、高齢化というのはあるでしょう。しかし、それは直接的な要因ではないし、デフレの理由の1つでしかないと私は思っています。

コモディティー化の罠

本当の理由はズバリ、コモディティー化(汎用化)の罠にハマっているから。コモディティー化とは、所定の製品カテゴリー中において、メーカー(製造元企業)ごとの差・違いが不明瞭化したり、なくなること。その代表が家電業界です。

わずか数年前まで、1インチあたり1万円と言われていた「薄型テレビ」は、現在の相場は今や1インチあたり2000円以下、一部の海外メーカーはなんと1000円を切ってしまいました。前よりも新しい機能を搭載したのに、市場にはモノがあふれ競争が激化しているため価格を下げざるを得ません。こうしてデフレにつながっていくわけです。

このように、日本企業はネットや半導体の進化に伴う価格性能比の向上と供給過剰、アジアメーカーの台頭がもたらす製品の「コモディティー(汎用品)化」という大きな流れと対峙しながら、生き残りの道を探らなければならない・・・。だから苦しいのです。

以前、大手家電メーカーS社が生き残りをかけ1万人の人員削減を発表したのも、これが原因であることは明らかです。

実は自動車業界も残念ながら同じ運命を背負っています。ハイブリッド、電気自動車化の流れは車をモジュール化させていきます。モジュール化とは、汎用パーツを組み合わせるだけで、誰もが同じような製品を作れてしまうこと。パソコンはモジュール化の最たる例です。

近い将来には、電池、モーターを組み合わせるだけで誰でも車が作れるようなってしまうかもしれません。性能はドングリの背比べ。こうなると、価格でしか競争できなくなってしまいます。今あるものをちょこちょこっと良くして市場に出す・・・この程度ではデフレから脱することなど到底できないのです。

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最終更新:8/12(土) 20:20
投信1