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球数少なく打者を追い込む円熟の投法 2位球団を支える阪神桑原、楽天福山

8/12(土) 14:25配信

Full-Count

紆余曲折を経て入団したチームで活躍する2人の「頼りになる救援投手」

 ペナントレースはいよいよ佳境。セ・パ両リーグの2位球団、阪神と楽天は置かれている状況は違うが、過酷な試合を戦っている。この胸突き八丁でモノを言うのが「頼りになる救援投手」だ。阪神の桑原、楽天の福山はともに紆余曲折を経て、両球団でなくてはならない存在になっている。

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 阪神の桑原謙太朗は、2007年、ドラフト3巡目で横浜(現DeNA)に入団した。登板数は1年目の30試合が最多。2010年オフにトレードでオリックスに。登板数は2011年の10試合が最多で、2014年11月に阪神にトレードされ、2015年は6試合に投げたものの、昨年は1軍登板なし。スライダーを武器とする変化球投手ながら、制球が今一つだったのだ。

 しかし今季は、開幕から1軍スタート。最初の3試合で2失点と滑り出しは悪かったが、4月5日から5月21日まで、16登板連続で無失点。セットアッパーとして「勝利の方程式」に食い込んだ。ここまで防御率は0.96、成績急上昇の最大の要因は、制球力が飛躍的に向上したことだ。

 桑原のキャリアでのBB9(9回当たりの与四球数)は3.66、1軍登板した過去3年でも2013年6.23、14年5.06、15年8.53と非常に悪かったが、今季は1.34と見違えるような成績。「マッスラ」と言われる変化の小さいスライダーでストライクが取れるようになったことが大きい。

 楽天の福山博之は2010年、ドラフト6位で横浜ベイスターズに。桑原とは入れ違いでの入団だった。当初から救援投手として投げるが、成績は上がらず。2012年に野手転向を奨める球団の意向を拒否し退団、楽天に入団した。

1イニングあたりの球数の少なさでは福山が1位、桑原が2位

 救援投手としてリスタートし、2年目の2014年から3年連続で60試合以上登板。セットアッパーとしてなくてはならない存在になっているが、今季はさらに進化し、開幕の3月31日から7月11日まで自責点0。以後も好調を維持し、防御率は0.91だ。クローザーの松井裕樹が故障で離脱した7月26日からは、最後を任される。8月5日のロッテ戦では失点したが、すでに3セーブ。慣れないポジションで奮闘している。

 彼もBB9が、2015年3.22、2016年2.45、2017年1.82と上昇している。制球力が向上して打者を追い込むことができるようになったのだ。

 2人に共通するのは「投球効率が良いこと」。両リーグで40試合以上投げている救援投手のP/IP(1イニング当たりの投球数)5傑は以下の通り。

1.福山博之(楽) 13.39(44試合 39回2/3 531球)
2.桑原謙太郎(神)14.40(46試合 47回 677球)
3.サファテ(ソ)14.48(47試合 47回 681球)
4.牧田和久(西)14.72(44試合 49回2/3 731球)
5.今村猛(広)15.00(49試合 47回1/3 710球)

 救援投手は先発投手ほど球数を気にしなくて良いとされるが、球数が嵩むと故障のリスクが高まるのは先発と変わらない。サファテと激しいセーブ王争いをしていた松井裕樹は7月22日の登板を最後に左肩痛で戦線離脱したが、P/IPは17.08(43試合 44回2/3 763回)、両リーグの40試合以上登板した投手40人の中で31番目だった。

 阪神・桑原、楽天・福山は、効率の良い投球でどんどん打者を追い込んでいるのだ。ともに移籍を経験し、辛酸をなめてきた二人は、円熟した投球で試合後半に頼りになる存在として、シーズンの深まりとともにますます重要度が増すことだろう。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

最終更新:8/12(土) 14:34
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