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県民大会:新基地着手から3年 不条理と押しつけの歴史凝縮

8/12(土) 12:00配信

沖縄タイムス

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は2014年7月に事業着手し、翌月に海底のボーリング調査を開始した。今年4月25日から埋め立てに向けた護岸工事を進めている。約3年間、キャンプ・シュワブゲート前や辺野古沿岸の海上では建設に反対する住民らの激しい抗議活動が連日続いている。地元の理解を得られない政府は、それでも「辺野古ありき」の姿勢を崩さないために、予算執行や法解釈などにひずみが出ている。オスプレイの墜落が相次ぎ、地元の反発は強まる。12日の県民大会では、人権や地方自治が無視された戦後沖縄の不条理、基地押しつけの歴史が、この3年間に凝縮されていることを確認する場にもなりそうだ。(政経部・福元大輔、大野亨恭)

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<莫大な警備費>新基地反対 力で抑える

 防衛省はV字形滑走路を持つ飛行場など辺野古新基地の具体的な計画を決めた際、「全部埋め立て」ではなく、「一部埋め立て」にこだわった。一般の立ち入りが規制されるキャンプ・シュワブの陸上部分を資機材置き場や作業船、警戒船の拠点として使用することで反対住民の抗議活動を避ける狙いがあった。

 さらに事業着手直前の14年7月には、シュワブの砂浜から50メートルだった臨時制限区域を最大2キロまで拡大。その区域を日米地位協定で日米共同使用とし、工事関係者の出入りを認めながら、一般の立ち入りは常時禁止した。船やカヌーで海上から抗議する住民らを遠ざける意図があり、米軍の運用などを定める地位協定を工事のために「流用した」といった指摘も出ている。

 当初から抗議活動を想定していたといえるが、実際に工事が始まると、沖縄タイムスの調べで、陸上、海上の民間警備費が2014年6月~16年12月の2年半で少なくとも159億円に上った。日数で割ると1日2千万円を超える期間もある。住民の根強い反対を受けることで、警備費がふくれあがっている。

 シュワブのゲート前や辺野古沿岸の海上では、連日大量の警察官や海上保安官が警備に当たり、抗議する市民を強制的に排除する事態が続いている。

 県警や海保は14年7月の事業着手まで、県内の基地反対運動に対し、犯罪がまさに行われようとするのを認めた時に警告、制止できると定めた警察官職務執行法5条や海上保安官法18条を根拠に挙げてきた。

 しかし、辺野古では「公共の安全と秩序を維持する」といった職務内容を定めた警察法2条、海上保安官法2条を根拠に示すようになった。政治的な表現活動を「安全」を理由に規制することに「政府と一体となった基地建設推進のための規制で、法の拡大解釈だ」と批判の声が上がる。

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最終更新:8/12(土) 12:00
沖縄タイムス