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「始める前に、まずやめてみよう」 あなたに贈る〝1分間スピーチ〟 【ひきたよしあき】

8/14(月) 7:00配信

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 広告会社「博報堂」のクリエイティブ・プロデューサーで、スピーチライターでもある、ひきたよしあきさんによる「1分間スピーチ」。今回のテーマは「始める前に、まずやめてみよう」です。

【画像】過去の「1分間スピーチ」はこちらで読めます。「小銭を見たら、ありがとうと言え」など

本日の〝1分間スピーチ〟

 では、スピーチをはじめます。

 今日は「やめると、はじまる」

 というお話です。

 これは皆さんにも経験があるでしょう。

 仕事や勉強になかなか手をつけられない。

 それはLINEやゲームを

 やっているからです。

 やめれば、仕事を始められます。

 ダイエットをしようと考えている。

 でも、なかなかできないで悩んでいる。

 間違いありません。

 今持っているビールの大瓶ジョッキから手を放す。

 お酒をやめれば、自動的にダイエットがはじまります。

 とかく私たちは、決意をすると何かを「はじめよう」とします。

 本を買ったり、料理道具を揃えたり、一駅歩いたりします。

 始めることには、高揚感がある。

 「新しい自分」が始まる気がする。

 でも、絶対に長続きしません。

 「三日坊主」とはよく言ったもので、「新しい気分」は72時間程度で薄れるように人間はできているらしい。

 いのちを守るためには、同じ作業が続くことに危険を感じた方がいいという本能が働くそうです。

 あなたが飽きっぽいのではなく、自然の摂理なんですね。

 「やめる」ことから始めてみましょう。

 生活習慣を変えるのは辛い。

 地味だし、誘惑に負けそうになる。

 しかし、こちらも3日続けていると、だんだんと慣れてくる。

 「あれ?やめても案外平気だな」と思える時期がきます。

 「やめること」によって変化がはじまりだしたこの瞬間。

 ここが「はじめる」ときなのです。

 何かをやめたので時間があります。

 何かをやめたので気持ちにゆとりもあります。

 何かをやめたので、少し強くなった自分がいます。

 そう、やめることで、はじまるのです。

 本屋にいけば、「自己啓発」の本があふれています。眺めているとどの本からも「はじめよう」「やってみよう」「あなたならできる!」という絶叫が聞こえてくるようです。

 これだけ「はじめよう」と訴える本が売れる背景には、それだけ何かをやめられない人が多い世の中なのでしょう。

 「やめると、はじまる」

 今日の言葉のちょい知恵をお試しあれ。

 ご清聴、ありがとうございました。

ひきたよしあき

 広告会社「博報堂」のクリエイティブ・プロデューサーで、スピーチライター。朝日小学生新聞で毎週火曜日に「大勢の中のあなたへ2」を連載中。著書は「机の前に貼る一行」「大勢の中のあなたへ」(いずれも朝日学生新聞社)、「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)など。

最終更新:8/14(月) 7:00
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