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111年の歴史に憧れのセーラー服 大阪・夕陽丘高に潜入後編

8/13(日) 19:27配信

THE PAGE

大阪・111年の歴史に憧れのセーラー服 夕陽丘高に潜入後編 企画・構成・撮影・編集:柳曽文隆 報告・ナレーター:岡本ゆか 協力:夕陽丘高校 THEPAGE大阪

 111年の歴史がいっぱい詰まってます──。大阪市天王寺区にある大阪府立夕陽丘高等学校は、今年で創立111周年を迎え、普通科と府立高校唯一の音楽科が設置されていることは前回伝えたが、その敷地内でひと際目立つ、レトロでかつおしゃれな建物を見つけた。聞けば戦前から建っている同窓会館で、中には約40年近く同校に携わる人物もいるとか。さらに、中には誰もが知る、あの「人形」がユニークなスタイルで販売されていた。

【続きの動画と写真特集】111年の歴史がつまった夕陽丘高の会館へ ユニークな生徒とも遭遇

1934年に建てられた同窓会館

 同校の恩知理加校長と訪ねたのは、同窓会館である「清香会館」。1934(昭和9)年に建てられたこの会館だが、現在も耐震化などを行った以外は、なるべく当時のままの状態で残されている。全体的に曲線の多い建物で、想像の範囲ではとても80年以上前に建ったものとは思えない。恩知校長は「この111年の資料がたくさん保管されていて、卒業生の方が来られた際に閲覧できる場所で、同窓会なども行えるようになっています」と話す。

 同館1階にある「清香会事務局」を訪ねると、同会館顧問の森敏行さんがいた。聞けば同校の15期卒業生で、後に書道の教師として長年勤務するなど、これまで約40年近く同校に携わっているという。

 「私がいたころはハイカラな建物の校舎でした。現在は校舎も変わりました。けど、この会館だけは昔のままです」と森さん。戦時中などは、同校からそう離れてはいない四天王寺や天王寺動物園などは空襲により被害を受けているが、同校はこの会館や旧校舎を含め被害はなかったという。

 1982年には、戦前の建物を中心にすぐれた建築家の設計や特色ある景観などの条件をクリアし、日本建築学会の「日本近代建築総覧」にも選ばれるなど、かなり貴重な建物となっているそうだ。

あこがれの夕陽丘の制服

 そして、1階の天井には東西南北を表すタイルが埋め込まれ、特徴的な装飾など、初めて来ても、おとぎばなしなどで見た世界というか、まるで昔にタイムスリップしたような気分にもなれる空間が広がっている。

 その中には、初期の卒業アルバムなどはもちろん、夕陽丘高にまつわる様々な記念の品などが置かれている。これらは置かれているだけでなく、ふだんからの手入れなどもできてこそ、きれいな状態で保存できる。森さん、そして、こちらも同校出身という畑中成子さんが、ていねいに手入れをし、現在も資料をすぐに閲覧できる状態となっている。

 森さんにとっては、母校、そして勤務先であったということもあり、思い入れはかなり強いものがある。保存されている資料の横では、女子生徒の制服も展示されていた。

 同校は1906年(明治39年)に大阪府立島之内高等女学校として創立され、この清香会館が出来た1934年にこの地へ移転した。

 やがて、制服は初期のころの古代紫のハカマから現在も続いている紺のセーラー服へと変わる。これは当時としてモダンなもので、女子学生のあこがれの制服となり、森さんは「この制服を着たい、憧れを持って夕陽丘を受験するという人も多かったんです。こうした歴史のある制服なので、学生さんもしっかりと着てほしいですね」と熱く語る。聞けば、かつて教員時代に生活指導部長を務めていたそうで、そんな一面をのぞかせるとともに、母校への愛情もひとしおだ。

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最終更新:8/20(日) 5:48
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