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“小さな起業”と経営の事務を支援 ジェントルワークス・串田幸江社長

8/14(月) 7:15配信

SankeiBiz

 働き方に対する理想を実現しようと起業を選ぶ“小さな起業”が増えている。こうした創業期の経営者に庶務・経理業務代行をリモートワーク(テレワーク)で提供するのがジェントルワークス(東京都世田谷区)だ。生涯現役を求め起業した社長の串田幸江さんは、創業期企業の支援と在宅ワークを基本とする事業体系を通じて、自分にあった働き方を求める人たちに活躍の場を提供し始めている。

 ◆できることを仕事に

 システム開発を手がける中堅独立系SI企業のプログラマーだった串田さんは、少数精鋭のIT企業に経験を生かしてほしいと請われ、42歳で転職。だが、自分は仕事で貢献できていないと思い悩んだ。同居する義母の介護にいずれは直面し、定年を迎えれば会社から要らないと言われる-。会社員生活に疑問を感じるまでになっていた。

 転機は4年前。プログラマー仲間の一人でシステム開発ベンチャー企業、ソニックガーデンの倉貫義人社長の元を訪問。社員全員がプログラマーのためか庶務・経理業務が後回しになっていた。SI企業で顧客の業務管理システムの経験もあった串田さんは「雑務に見えるが経営に直結するもの」と見かねて手伝いだした。その姿に倉貫社長は、自社の庶務・経理業務の委託を提案、「自分で会社やったらどうですか?」。

 人生を誰かに左右されないようにしたいが、自分にできることはあまりにも少ない。「できることを仕事にして生きよう」と串田さんは起業を決断、ジェントルワークスが誕生した。

 庶務・経理業務を人に任せることはリスクを伴う。それを理解できる、経営マインドを持つ創業期の経営者をリモートワークで支援するビジネスだ。

 人を雇うほどは事務作業がない、事務時間が取れないなど、事務をため込む理由はさまざまだ。串田さんは依頼企業のヒアリングで困り事の質と量を見極め、業務内容を精査。依頼側は業務担当の同社スタッフとチャットを通して連絡を取り合う。例えば、領収書の画像を基に帳簿作成、支払いの「うっかり忘れ」防止のリマインド、郵便物代理受け取りと文書の電子化などで、作業時間10時間まで3万円、20時間まで5万円の定額制、延長分は15分625円の従量課金制を採る。

 ◆全員が在宅勤務

 自社スタッフも委託契約で、全員が在宅勤務。突発的な休業が起きても業務が滞ることなく、依頼側もスタッフも安心できるよう、1社に対する複数人担当制を敷く。リモートワークは働く側に自律とスキルが必要だが、数時間なら働ける潜在労働力を引き出す。自身の介護経験からも、社会で働く人を増やすすべだと実感している。

 起業支援や企業誘致など地方自治体の取り組みは熱を帯びるが、串田さんの元には地方での小さな起業で庶務・経理業務に悩む経営者の声が届く。企業同士がリモートワークで連携すれば、成長を助け、生き方の選択肢も広がる。串田さんの経営理念は社会が抱える課題解決の糸口の一つかもしれない。

最終更新:8/14(月) 7:15
SankeiBiz