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「日本企業はもはやASEAN企業の一員」 EU上回る巨大6億人市場、開拓のチャンス到来

8/13(日) 7:01配信

日刊工業新聞電子版

■70年代に進出、AEC発足で工場から市場へ

 「日本企業はもはやASEAN市民・企業」。7月7日、シンガポールで開かれたASEAN各国とASEAN日本人商工会議所連合会との会合では、こんな発言が相次いだ。

 日本企業は70年代からASEANに工場進出し、85年のプラザ合意による円高進行でこの流れが一気に加速した。およそ40年の交流から、ASEANの企業の一員との認識を日本とASEAN双方とも抱く。

 その関係は今後、ますます深くなりそうだ。15年に関税撤廃などで単一市場を目指すASEAN経済共同体(AEC)が発足し、実際に日本企業が「ASEAN企業」として活動の領域を広げる機会が到来した。

 ASEAN各国はこれまで家族経営の小規模店舗などを保護するため、卸・小売り業に外資の参入規制を設けてきた。しかしAECではASEAN企業であれば、これまで外資は過半出資ができない国でも、70%の出資を認める方向で調整中だ。

 ASEAN企業の定義は、ASEANで活動する日系企業も含むと解釈されている。例えば、日本企業がタイへ投資する場合、日本の親会社からだと過半出資はできないが、シンガポール法人からだと70%まで出資できる見込みだ。

 実際にはまだ国内法で規制を設けてほとんど運用されていないが、近い将来は「この仕組みを利用する日本企業が出てくる」(財界幹部)と予想される。日本企業はすでにASEANの内需をターゲットとするビジネスの拡大に動いている。

 伊藤忠商事は年内にもインドネシアの大手財閥リッポー・グループとシンガポールに合弁会社を設立。ベトナムやミャンマー、フィリピンなどで病院事業における協業を目指す。

 リッポーはインドネシアの19の都市で26の総合病院と16の診療所を展開する「シロアム病院」を有する。シロアムで培ったノウハウを他のASEAN各国をはじめとした「アジア全土に拡大したい」(鉢村剛代表取締役常務執行役員最高財務責任者)。

 丸紅はインドネシアの財閥であるCTコープと16年に戦略的提携の覚書を締結。両社でタスクフォースを立ち上げ、インドネシアやアジア域内で電子商取引や物流、金融、保険、食品加工など内需関連を中心に「幅広い事業での協業」(山添茂副社長)を検討中だ。

 ASEANの人口は6億人と、日本の5倍。日本企業はASEAN企業の一員として大市場の開拓に挑む。

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