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「英語話せないグローバル課長」が福岡市をスタートアップ都市にした

8/13(日) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

7月18日、福岡市はニュージーランド・オークランド市とスタートアップの相互支援に関する覚書を締結したと発表した。これで、福岡市が海外都市と提携の覚書を締結したのは、エストニア、ヘルシンキ(フィンランド)、台北(台湾)、サンフランシスコ(アメリカ)、ボルドー(フランス)に続き、6都市となった。

【画像】福岡市グローバルスタートアップ課長、的野浩一。「アウトロー」なキャリアを歩んできたという。

福岡市はスタートアップ・シティ。そんなイメージが定着しつつある。

なぜ福岡市はスタートアップ都市になれたのか。それを語る上で、1人のキーパーソンがいる。福岡市総務企画局企画調整部国家戦略特区グローバルスタートアップ課長、的野浩一。

的野が新規事業開発などを担当し始めたのは、2009年に企画調整部に異動してからだ。それまでは大学で建築を専攻したにも関わらず、インフラ整備ではなく、まちづくりのイベントを担当するなど「変則的」なキャリアを歩んできた。

福岡市をシアトルのような街に

2010年、その年に当選し、現在も市長を務める高島宗一郎がアメリカ・シアトルに視察に行った。

首都・ワシントンD.C.から遠く離れた港町であり、人口も福岡市の半分。にもかかわらず、アマゾン、マイクロソフト、スターバックスなど世界的企業がこの町から生まれている。海と山に囲まれた自然環境、コンパクトな都市機能、優秀な学生が集まる大学都市であることなど、福岡市が成長する姿がシアトルと重なった。

福岡市をスタートアップ・シティに。2013年、福岡市は安倍政権による「国家戦略特別区域」、通称・国家戦略特区構想で、グローバル創業と雇用創出をメインテーマに据えた特区を申請した。

実はこの申請の背景には、苦い記憶がある。2011年に民主党政権が進めていた「総合特区」制度で、福岡市、北九州市、福岡県の3自治体は共同で「グリーンアジア国際戦略総合特区」として指定された。しかし、福岡県と北九州市の産業基盤は製造業。福岡市が注力したいサービス産業や創業支援は特区の成長戦略の柱にはならなかった。

今度こそ、スタートアップ支援を成長の軸に特区指定を獲得する。

「ぎりぎりまで続いた交渉の中で指定を獲得できたのは市長のリーダーシップのおかげ。特区指定に関わったとある関係者は、市長を『ブルドーザーのような人だ』と言っていたね」

と的野は振り返る。

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最終更新:8/13(日) 20:10
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