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<日露政府>歯舞沖に出入域新設へ 元島民の墓参負担軽減

8/14(月) 7:30配信

毎日新聞

 日露両政府は、北方領土へ元島民らが墓参する際、歯舞群島沖に新たな出入域地点を設定する最終調整に入った。元島民らが30日から群島の中の勇留(ゆり)、志発(しぼつ)両島へ海路で墓参する予定で、両島沖で出入域の手続きを実施する見通しだ。元島民らの負担軽減に向け、4月の日露首脳会談で新設について合意。両国が具体化へ協議を続けていた。

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 出入域手続きは、ロシアが実効支配する北方領土へ日本人が入る際、ビザ発行ではなく簡易な身分証明書を確認するもの。現在は国後島の古釜布(ふるかまっぷ)沖だけで実施されている。北海道根室市の根室港から海路で入域するには、国後島より近い歯舞群島や色丹島への上陸でも、片道約3時間半~4時間かけていったん古釜布沖に向かい、手続きをする。

 北方領土を巡って対立する日露両国それぞれの法的立場を損なわないための手法として定着してきたが、高齢化が進む元島民らにとっては負担が大きく、新地点の設定を求める要望が多かった。歯舞沖で手続きができれば、渡航時間を少なくとも6時間以上短縮できるとみられる。

 今回の歯舞墓参は9月1日までの日程で、勇留、志発両島の元島民や遺族ら約50人が参加する。根室港をチャーター船で出発し、両島沖に停泊。ロシア当局職員が乗船して立ち会い、手続きを行う。元島民らはその後、両島へ上陸して献花や慰霊をする予定だ。

 また6月に悪天候で中止された空路による墓参は、日露両政府が9月23日を軸に再調整している。日本側は今後の北方領土交渉の打開にも期待をつなぐ。ただ、歯舞沖の出入域手続きは2008年までに何度か行われたが、その後ロシア側の都合で中止された経緯があり、今回の新地点も継続されるかは不透明な面がある。このため日本外務省の関係者は「特例にならず、繰り返し実施できるよう努力したい」と話す。【梅田啓祐】

最終更新:8/14(月) 10:57
毎日新聞