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【コラム】概念のないトランプ氏(1)

8/14(月) 10:07配信

中央日報日本語版

言葉が爆弾やミサイルなら、韓半島(朝鮮半島)戦争はすでに始まった。トランプ大統領は北朝鮮が核・ミサイルで米国を威嚇すれば北朝鮮政権は炎を浴びて終末を迎えるだろうと警告した。10日には北朝鮮が想像もできないことが起こると警告の程度を高めた。北朝鮮の対応はさらに殺伐であり具体的だ。キム・ラクギョム戦略軍司令官は中長距離弾道ロケット「火星12」4発でグアムを包囲攻撃することを「慎重に検討」していると、朝鮮中央通信を通じて発表した。「慎重に検討」という退路を開いておいたのをみると、先制打撃にはためらいがあるということだ。

問題はワシントンの好戦的な雰囲気だ。北朝鮮の核・ミサイル施設に対する先制打撃論がついにマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)の「予防戦争論」に拡大発展した。こうした雰囲気でトランプ大統領は韓国人を侮辱する妄言をした。8月1日の米NBC放送のインタビューでリンゼー・グラム上院議員(共和党)はトランプ大統領が自分にした話をこのように伝えた。「北朝鮮がICBMで米国を攻撃するミサイルプログラムを継続すれば北朝鮮と戦争が起こるだろう。ミサイルプログラムを中断させるための戦争が起こるのなら、それは向こう(over there)で起こる。数千人が死ぬなら、それはここ(over here)でなく向こうだ」。グラム議員はトランプ大統領が私に直接(to my face)そのような話をしたとまで説明した。

言うまでもなくトランプ大統領が話した「向こう」は韓半島であり「ここ」は米国だ。戦争が起これば数千人でなく数十万人、核戦争なら数百万人が死亡することを考えれば、トランプ大統領は戦争に関する概念さえもない危険な大統領だ。すべての犠牲は「向こう」で発生するというトランプ大統領の言葉は正しい。第2次世界大戦からアフガニスタン戦争まで米国がしたすべての戦争がそうだった。数十万人の米軍が戦死し、数百、数千万人の現地人が犠牲になっても、1941年のハワイ真珠湾を除いて米本土は血を一滴も流さなかった。米同時多発テロのような不意の事態でなければ米国が傷つくことはないという安堵感が米国人の潜在意識に深く刻まれている。とはいえ、どうすれば米国の大統領という人物がためらいもなくそのような話ができるのか。米国本土防御のためには、韓国の領土が戦火に包まれて数十万人の韓国人が犠牲になってもかまわないという発言をするのは非常識だ。

8月5-11日付のエコノミスト誌は仮想的な韓半島戦争のシナリオを掲載した。米国と北朝鮮が核兵器を使用し、北朝鮮は短距離ミサイルで核弾頭だけでなく化学兵器と神経ガスを韓国に散布する。ソウル市民30万人が死亡し、多数の人々が放射能の落塵で徐々に死んでいく。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は軍参謀と共にバンカーで爆死し、北朝鮮政権は壊滅する。シナリオはトランプ大統領がツイッターに載せたコメントで終わる。「悪魔(evil)の金正恩がソウルを核兵器で攻撃したのは悪い。私は核で反撃するしかなかった。しかし私がとった行動で米国は無事だ!」

トランプ大統領は信頼できない同盟国の大統領だ。彼は中国の習近平主席が北朝鮮に十分に圧力を加えないと不平をいうだけで、習近平主席が手に負えないほどの経済的制裁を加えない。言葉だけなのは習近平主席もトランプ大統領も同じだ。中国の対北朝鮮原油供給中断が抜けた安保理の北朝鮮制裁決議案も歯が抜けたトラだ。