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平和は丈夫な安保の上で可能だ=韓国(1)

8/14(月) 13:07配信

中央日報日本語版

見えるものがすべてではない。そう信じたい。トランプ米大統領と北朝鮮の「言葉の爆弾」が目まぐるしく飛び回る。しかしそれがすべてではないだろう。トランプ大統領は記者らに自分ほど「平和的解決法を好む人はいない」と話した。傷は膿んでこそ絞り出すことができる。交渉で優位に立とうと虚勢を張る場合が多い。特に取引の達人であるトランプ大統領の手法だ。見えるものがすべてでないと本当に信じたい。

それでも不安だ。あまりに静かだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「挑発を中断し対話の道に出るべき」と促してから口を閉じている。文大統領に続き外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官も休暇に出かけた。グアムに韓国人観光客があふれていると米国メディアが驚く。大げさに騒ぐ必要はないがこれでも良いのか不安だ。

最も重要なものは国民の生命だ。米国中心の外信を見れば人の価値が違っていることを実感する。米国人が1人負傷しただけでも大きなニュースになるが、アジアやアフリカ、さらに中国人が数十人死んでも視線を集めることはできない。われわれの無感覚はそれとは違わなくてはならない。

戦争は避けなければならない。しかし政府指導者は最悪のシナリオまで準備しなければならない。防衛まで放棄することはできない。戦争なく勝ったり共存するのが最善だが、守るために戦わなければならない時もある。安保と平和は二者択一の問題ではない。

文在寅大統領は安保大統領を自任した。候補時代に彼は戦争危機説に「心配するな」と話した。彼は「徹底した危機管理と堅固な韓米同盟で戦争を防止する」と約束した。特に彼は「大統領は戦争ではなく平和を作る人でなければならない。しかし平和は強く丈夫な安保の上だけで可能だ」と強調した。

文大統領は韓国が運転席に座ると言った。しかし交渉はやりとりだ。われわれが与えられるものは何か。核とミサイルを放棄できるほど大きな代価は何か。金正恩(キム・ジョンウン)委員長は「いい子」なのでよく言い聞かせれば聞き入れてくれると信じることではないだろう。

文大統領は「現実的にわれわれにこれを解決する力がなく、合意を引き出す力もない」と吐露した。トランプ大統領は文大統領に「北朝鮮と対話の試みはしてみたか」と尋ねた。その時文大統領は「私が提案した対話の本質は南北赤十字会談を通じた離散家族対面という人道的措置、ホットライン復元を通じた偶発的軍事的衝突を防ぐこと」と話した。

これは2種類を示唆する。ひとつはトランプ大統領が文大統領の対話論を非現実的とみているのではないかとの疑いだ。もうひとつは文大統領が運転する車が米国を乗せないミニバスではないのかという点だ。

文大統領の吐露のように韓国に特にこれといった手段がない。しかし金大中(キム・デジュン)元大統領は米国とひとつになって動いた。あらかじめ十分に調整した。金元大統領の提案と約束には米国の立場が含まれていた。北朝鮮が文大統領の対話提案に「真正性」がないと一蹴したのはそれもひとつの原因となるかもしれない。(中央SUNDAY第544号)