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【コラム】ヘル朝鮮vsヘルイスタンブール

8/14(月) 14:10配信

中央日報日本語版

最近、外国人の友人が筆者によく尋ねる。「ヘル朝鮮とは何のことなのか」。実力があっても就職ができない韓国の若者が韓国を離れることを望む社会的現象を意味する言葉だと説明するが、外国の友人はこれをよく理解できない。韓国に来てまだ間もない外国人の多くは韓国を「韓流ドラマ」の国と理解している。ドラマの中では勉強がよくできる人がよい暮らしをする。このためヘル朝鮮の現象をよく理解できないのだ。

筆者も最初はよく理解できなかった一つの現象に最近接したことがある。ヘルイスタンブールだ。イスタンブールはトルコの首都ではないが、経済と文化の中心地であり人口が最も多い都市だ。最近はトルコの青年がイスタンブールを離れたがるという。

先日、トルコのあるポータルサイトで広く共有されたコメントを見ることになった。このコメントを書いたのはイスタンブールで良い会社に通う6年目の会社員だ。彼はイスタンブールは暮らしにくいため田舎に行って農作業をしたいと書いていた。いくら会社生活が大変とはいえ、どうしてイスタンブールのように楽しい都市でストレスを解消できないのか不思議に思った。

私のこうした疑問は「イスタンブールでの労働の代価」というドキュメンタリーで解けた。主人公は地方出身の若者だった。彼は熱心に勉強をし、首都アンカラの一流大学に入り、コンピューター工学科を卒業した。卒業後にはイスタンブールで良い会社に就職した。

ここまでは良かった。しかし彼の人生は想像していたものとは完全に違う状況だった。地方より10倍も高いイスタンブールの家賃のため職場から遠く離れたところに部屋を探した。人口が1500万人を超えるイスタンブールの地下鉄は混雑し、出退勤時間が長く、ストレスがたまった。ストレスを解消するためには遊ぶべきだが、物価が高いためそれもできる状況でなかった。

韓国では新政権が発足した後、青年の就職難解消に対する期待が高まっている。しかし何とか職場を見つけたとしてもヘル朝鮮の現象が完全に克服されるわけではない。ヘルイスタンブールを見ればよい。住宅問題や出退勤ストレスなどを解消し、生活の質を高めるための前途ははるか遠い。 (中央SUNDAY第544号)

アルパゴ・シナシ/ニュースメディア「 Haber Kore」編集長/元トルコ「ジハン通信」韓国特派員