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<GDP年4%増>賃金伸び悩み課題

8/14(月) 11:41配信

毎日新聞

 2017年4~6月期の実質GDP成長率は、年率換算で4.0%増と事前の市場予想を大きく上回った。これまで成長を支えてきた外需が振るわなかった一方、GDPの約6割を占める個人消費など内需がけん引した形だ。だが、賃金の伸び悩みなどもあり、今後も内需主導の成長が続くかは見通せない。

 個人消費は、確かに回復傾向にある。家電量販店では、猛暑によるエアコンなどの買い替えが増えているほか、大型の薄型テレビなどの販売も好調という。また、新車販売台数(軽自動車を含む)も、7月まで9カ月連続でプラスとなった。

 だが、賃金は伸び悩んでおり、6月の実質賃金は前年同月比0.8%減とマイナス。夏のボーナスが前年割れしたことが響いており、下落幅は2年ぶりの大きさとなった。有効求人倍率がバブル期の水準を超えるなど雇用環境は改善しているが、それが賃上げに結びついているとは言い難い。年金など将来不安もあり、消費者が賃上げを見込んで財布のひもを緩めるには「もう一押しが必要」(内閣府幹部)な状況だ。

 好調な設備投資も、輸出が4四半期ぶりにマイナスとなるなど先行きの不安は拭えない。欧米経済は好調だが、米国のトランプ政権は北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しに着手したほか、鉄鋼製品の輸入規制なども検討。保護主義的な政策が実行されれば、企業業績の低迷などを通じて設備投資や個人消費も打撃を受けかねない。北朝鮮情勢の緊迫化も不安材料だ。堅調な内需を維持するためには、賃上げや規制緩和など需要拡大につながる政策の早急な実行が求められる。【井出晋平】

最終更新:8/14(月) 11:41
毎日新聞