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輝く一歩お家芸に 「伝道者」荒井、攻め抜いて銀 世界陸上・男子50キロ競歩

8/14(月) 7:55配信

産経新聞

 トップこそ逃したが、荒井がこの舞台で会心の歩きをみせた。五輪、世界選手権を通じて日本初の銀メダルをつかみ、「今年は自分から攻めていくレースができた」と誇った。

 序盤からディニが大逃げしたレース。リオデジャネイロ五輪銅メダリストは冷静に対処した。周囲の警戒も感じたが「逆に言えば、操作しやすかった」と振り返る。当初の戦略は後半勝負の持久戦も、多彩な変化の結果、38キロ過ぎから2位争いは小林との一騎打ちになった。

 共に代表で合宿を張り、同じ釜の飯を食べた仲間。「メダル、行けるぞ」と5歳下を鼓舞し、牽引(けんいん)役を買って出る。50キロ競歩の日本陣で最年長の29歳。2秒先にゴールすると、満面の笑みで小林とハイタッチした。

 リオ後は軽めの“燃え尽き症候群”状態も、メダル獲得は「仕事」と捉えた。米大リーグのイチローに関心を示し「どうやってモチベーションを維持しているのか」と参考にした。午後10時半の就寝時間を15~30分早めた。多忙でも、そんな「小さなこと」の積み上げが力になった。

 50キロ競歩は今春、五輪存続の危機を味わった。特効薬は魅力を強さで表すことだ。表彰台の2、3番目を占め「夢かなと思ったことが現実になってきた。競歩をやっていて幸せ」と荒井。この日、誰もまねできない“伝道者”になった。(坂井朝彦)

最終更新:8/14(月) 8:21
産経新聞