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【歴代担当記者が見た巨人・阿部】キャリアに敬意を表するアスリートらしさは昔から

8/14(月) 10:10配信

スポニチアネックス

 ◇セ・リーグ 巨人1―4広島(2017年8月13日 マツダ)

 私は捕手としての阿部慎之助しか知らない。新人だった01、02年。そしてキャリアハイを誇った12、13年と担当記者として取材した。担当を離れ迎えた14年11月の日米野球。選手ではなく、評論家として現場に足を運んでいた阿部と再会した。

 捕手か、一塁手か。狭間で揺れていた時期だった。気付くと阿部は、全米代表のカルロス・サンタナ(インディアンス)に歩み寄った。しばしの談笑の後、戦利品である1本のバットを手にしていた。

 「彼も捕手から一塁へのコンバートを経験しているからね。いろいろと話を聞いてみたかった」

 サンタナはメジャー通算167本塁打を誇るスラッガー。強打の捕手としてデビューしたが、27歳だった13年を最後に捕手から一塁手へコンバート。さらに豪打に磨きがかかった。とはいえ、8学年も下の選手を相手に自ら赴いたのは意外だった。近い将来訪れるであろう一塁手専任を感じ取っていたのだろう。そして今季、初めて正真正銘の正一塁手として腰を据えて、マイルストーンを築き上げた。

 年齢にではなく、キャリアに敬意を表するアスリートらしさは昔からだった。13年WBCでも練習試合で、9歳下ながらメジャー最高捕手とされていたバスター・ポージー(ジャイアンツ)にバットをもらい、無邪気な笑顔を浮かべていた。

 また武蔵坊弁慶の刀狩りのように、いろんな選手のバットをもらっては、コレクションではなく練習で実際に振り続けていた。まるでそのバットの形状からにじみ出る各選手の技能を盗むかのように。今年6月下旬、ジャイアンツ球場で右膝のリハビリ中だった阿部を見ると、その手には新加入の陽岱鋼のバットが握られていた。

 捕手と、それ以外でのポジションでのベストナイン受賞は前例がない。今年はロペス(DeNA)が好調で難しいかもしれないが、来季以降チャンスはある。もう捕手としての殻に縛られる必要はない。一塁手として、そして向上心忘れないバットマンとして。まだまだ安打を、一本ずつ積み重ねていってほしい。(01、02、12、13年巨人担当・後藤 茂樹)

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