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【歴代担当記者が見た巨人・阿部】“最低の”350号…個人よりチームが故に

8/14(月) 10:10配信

スポニチアネックス

 阿部とは同い年だが「1学年上」の偉大な選手でもある。私は浪人を経て立大に進学。「中大の阿部」は、当時から誰もが知る存在だった。

 06年に巨人担当になり、間近で取材するようになった。仲間や先輩、後輩を大事にする選手という印象は今も変わらない。そして、個人よりチーム。15年7月1日の広島戦で350号本塁打を放った際、両親に贈った記念球には「最もうれしくないHR」と記した。好機で凡退し、試合に敗れたからだ。

 09年WBC。空き時間にサンディエゴの街を一緒に散歩したときのこと。阿部は右肩を痛め、控え捕手の立場だったが「城島さんの助けに少しでもなれればいい」とつぶやいた。対戦経験のある外国人選手の情報を伝えるなどサポート役に徹し、世界一に貢献した。

 勝負事には常に真剣。だから若手に厳しい言葉を掛けられる。目上の人に言いにくいことが言える。一方、言い訳はしない。生まれながらのキャプテン気質なのだろう。

 グラウンドを離れれば3児のパパ。2人の娘の笑顔に癒やされ、5歳の長男・成真くんの練習では、打ち返されたゴムボールが「何度も顔面を直撃したよ」。そう話す表情は、試合中には想像できないほど穏やかだ。 (巨人担当キャップ・川島 毅洋)

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