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高炉3社の17年度設備投資計画、8年ぶり8000億円台乗せ

8/14(月) 6:02配信

鉄鋼新聞

 新日鉄住金、JFEホールディングス、神戸製鋼所の高炉3社の2017年度の設備投資額(連結、工事ベース)は合計8150億円程度と8年ぶりに8千億円台となる見通しだ。16年度と比べ約9・3%の増加で、直近のピークだった08年度実績の9割超の水準になる。各社がここ数年重点的に進めている国内生産拠点の基盤固めが投資額として現れる格好だ。

 今年度の設備投資計画は、新日鉄住金が4500億円と前年度に比べ約28%の大幅増。JFEホールディングスは高水準だった16年度とほぼ同じ2300億円とする計画だ。神戸製鋼は1350億円と15・7%減少するが、この10年で2番目に高い水準となる。
 新日鉄住金は3月に日新製鋼を子会社化しており、昨年度の設備投資額に含まれない日新製鋼関連(約410億円)が加わったことが増加の一因。ただ日新製鋼を除いても4090億円と前年度比16・5%の増加となる。国内製鉄所の基盤整備投資や防災対策投資が押し上げ要因となるようだ。
 新日鉄住金は現行の中期経営計画(15~17年度)で、競争力強化を狙いに国内製鉄所の製造基盤整備を重点的に進めている。今年度は君津製鉄所(千葉県君津市)、鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)、室蘭製鉄所(北海道室蘭市)でパドアップ(炉体刷新)などコークス炉の老朽化対策を講じるほか、八幡製鉄所(北九州市)で連続鋳造機の新設作業を進める。
 八幡製鉄所では同所の戸畑、小倉両地区にある高炉、製鋼工程を20年度末までに戸畑地区に一本化する計画を進めている。今回の連鋳機新設もこの一環となる。
 JFEは全体の約9割を占めるJFEスチール(連結)が前年度比3・4%減の2100億円の計画。JFEも現行の中期経営計画(15~17年度)で製造基盤整備を推進。コスト競争力と安定供給体制を強化するため、特に上工程の設備更新が大きなテーマとなっている。
 今年度はコークスの自給体制構築を目指し東日本製鉄所千葉地区(千葉市)でコークス炉の老朽化対策を進めるほか、西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)で第3焼結機の更新作業を進める。
 神戸製鋼は今秋に神戸製鉄所(神戸市)の高炉、製鋼工程を休止し加古川製鉄所(兵庫県加古川市)に集約する計画を進めている。この上工程集約関連で今年度は133億円を投じる計画だ。
 高炉大手の設備投資は07~09年度に3年連続で年8千億円を超える高水準を記録し、07年度までの高収益を背景に高級鋼の増産対応や製銑・製鋼工程の増強投資などが一気に進んだ。ただ、その後は大型投資が一巡したことやリーマン・ショック後の厳しい収益環境を踏まえて投資の抑制傾向が続き、年7千億円を下回る水準が続いていた。
 17年度は計8150億円と8年ぶりに8千億円を上回る見通し。04年度以降では4番目に高い水準となる。各社とも中長期を見据えた国内拠点の製造基盤強化を継続し、鉄鋼製品の商品競争力やコスト競争力の維持・強化を図る。

最終更新:8/14(月) 6:02
鉄鋼新聞