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夏場のジビエ食べて 利用増へ加工品 島根県美郷町の生産者組合

8/14(月) 7:00配信

日本農業新聞

 島根県美郷町の狩猟者らでつくる、おおち山くじら生産者組合は、需要の少ない夏場のイノシシ肉の利用拡大を進めている。缶詰を商品化した他、7月からはクラウドファンディングで薫製の商品化に向けた出資を募っている。脂の少ない夏のジビエ(野生鳥獣の肉)はシェフらに敬遠されるが、農作物の獣害を減らすためには年間を通して捕獲する必要があり、需要拡大の必要性を訴えていく。 

 同組合では年間400、500頭のイノシシを捕獲し、食肉処理する。夏季に捕獲するのは300、400頭で、子どものイノシシも多い。2004年の組合設立当時から、処理場に生きた状態で運ぶことで、傷みやすい夏でも良質な肉の生産に取り組んできた。ただ脂の乗った冬場の肉を求める業者が多く夏場の需要は限られるという。

 夏場の肉も有効利用しようと、昨年は缶詰を開発。冬場は高級部位として取引されるが、夏は一番痩せていくバラ肉を使って商品化した。さらに、7月からはクラウドファンディングにも挑戦。夏場に捕獲数が増えるが処理に手間が掛かる子イノシシを薫製にして、出資者には返礼品として贈る。3年前には県内のカレーハウスcoco壱番屋4店舗で、夏の肉を使ったカレーを冬に提供する取り組みも始まった。

 同組合の森田朱音広報担当は「豚や牛とは規格が違うことを理解してほしい」と訴える。組合の設立から携わる、町産業振興課の安田亮課長補佐は「獣肉には旬があるが、被害を減らすためには夏場の肉も利用していかなければならない」と指摘。「川上の価値観に、川下の料理人らも共感してほしい」と強調する。

日本農業新聞

最終更新:8/14(月) 7:00
日本農業新聞