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早熟の子を「神童」と呼ぶ愚行は、いつまで続くのか?

8/14(月) 11:30配信

VICTORY

前回の記事で、日本のタレント発掘ブームの問題点を的確に指摘し、改善点を指摘してくれた選抜育成システム研究家の小俣よしのぶ氏。今回は、今夏注目されながら惜しくも甲子園出場を逃した清宮幸太郎選手を題材に、日本のスポーツ選手育成の問題を取り上げていく。(取材・文:出川啓太)

低年齢では、競技スポーツよりも、いろいろな運動をさせよ

――小学生のうちから、サッカー選手を目指すならサッカー、野球選手を目指すなら野球に特化させたほうがプロになる可能性は高まるのでしょうか?

小俣 それは間違いです。競技に特化しないで、総合的な運動能力を持った子たちを選ぶべきです。たとえばボートのようなマイナースポーツであっても、最終的にボート選手になれるようなアプローチをしてあげればいいのです。

小学生の段階でボートをやっている子はそんなにいないので、その子の成長を見ながらボートに転向する適切なタイミングを見極めることが大切なわけです。小学生のうちから一日も早くボートに乗る必要はありません。むしろ、いろいろな運動をさせたほうがいいです。すると、ボートに転向したあとも順調に成長していく。ところが残念ながら、日本では成長する前の段階でバサッと切ってしまう。選抜に残った子たちも、トップまでたどり着かないことが多いのです。

――低年齢のうちは、競技性の強いスポーツよりも、いろいろな運動をさせたほうがいいということですね。その他にも注意することはありますか?

小俣 低年齢における選抜は、やるべきではありません。低年齢でピークを迎える競技、たとえば新体操とか器械体操などは若年層から始める必要がありますが、球技のほとんどは、トップチームの一軍に定着してこれからバリバリにプレーするぞという年齢は25歳くらいからと言われています

だいたいどんな競技でも、育成に要する時間は10年ほどと考えられています。15歳からその競技を始めれば、間に合うはずなんです。今、サッカー以外の競技における競技者年齢はどんどん上がっています。サッカー選手が低年齢化しているのは、ヨーロッパのチームが小さい頃から青田買いをしているからです。本来は、そういう競技ではない。サッカーも今後、身体形態と体力的特徴がラグビーのバックスやアメリカンフットボールのセカンダリーようになってくるはずです。そういう身体形態や体力を獲得するのは20代後半でないとできません。

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最終更新:8/14(月) 13:53
VICTORY

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