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F-15をロケットブースター化? 対弾道ミサイル、かつて検討されたとある有効活用案

2017/8/14(月) 11:10配信

乗りものニュース

空自200機のF-15J、まだまだ有効活用可能

 2017年6月、航空自衛隊の次世代戦闘機通算5号機となる日本国内生産型F-35A「ライトニングII」が初飛行し、いよいよF-35Aの実用化が間近に迫ってきました。

 F-35は極めて強力な戦闘機ですが、現在のところ導入予定は2個飛行隊ぶん42機となっています。したがって今後も航空自衛隊の主力を担う機種は約200機を保有し8個飛行隊に配備されているF-15J「イーグル」であることに変わりありません。

 F-15Jは1981(昭和56)年導入と、もはや新しいとは言えない機種ですが、機体が大きくとても頑丈であるため電子機器を搭載する余地があり性能向上しやすく、まだまだ構造上の寿命が残されている利点があります。そのためF-15を開発したボーイング(当時マクダネル・ダグラス)は、電子機器を一新しミサイル搭載数を大幅に増加させた「F-15 2040C」という近代化改修コンセプトをリリースするなど、将来に向けた売り込みを行っています。

 航空自衛隊のF-15Jはこの先どのような進化をたどるのでしょうか。

 かつてあったF-15の近代改修計画としては、F-15に弾道弾迎撃ミサイル「ALHTK(空中発射直撃弾)」を搭載しミサイル防衛能力を持たせようというものがありました。F-15の飛行性能、とくに上昇力は現在の水準においても最高クラスにあるため、F-15をスクランブルさせるか、空中待機させておき、F-15を「ロケットの一段目」として使うという計画です。

発射台や船にはない強みとは?

 ALHTKは航空自衛隊も配備する地上発射型弾道弾迎撃ミサイルPAC-3を原型とし、計画ではF-15の主翼下に合計2発携行するというものでした。

 F-15にALHTKを搭載するメリットは地上配備の地対空ミサイルやイージス艦と異なり、高い機動性で瞬時に展開可能だということです。地上や海上を移動するPAC-3発射台やイージス艦などは、1000km先に展開するにはどう頑張っても丸1日以上を必要としますが、F-15ならばわずか1時間、ほとんど瞬時に展開することができます。

 したがって、F-15とALHTKはPAC-3やイージス艦では不可能な弾道ミサイルのブースト段階(上昇)に対する攻撃が可能であり、これは航空自衛隊にはない能力です。

 昨今、北朝鮮のミサイル問題において敵基地攻撃論が議論されていますが、実際問題、敵基地攻撃はミサイル発射前にミサイルランチャーを発見することが不可能に近いため、まったく現実的ではありません。しかし発射後のミサイルを発見することは比較的容易です。

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