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美しい夏の風物詩8年ぶりに復活、秩父で曳き回し中止の屋台披露 極彩色の彫刻、曳き回しへ有志募る

8/14(月) 10:30配信

埼玉新聞

 埼玉県秩父市下影森八幡町会が所有する「田の沢屋台」(市指定有形民俗文化財)のお披露目会が13日、同市立影森小学校で行われ、2009年以来8年ぶりに同屋台が披露された。かつては町内で曳(ひ)き回していたが、現在は中止の状態。夏の風物詩が久々に復活し、秩父屋台囃子(ばやし)も鳴り響いた。

 屋台は高さ4・5メートル、幅1・8メートル、長さ2・6メートル。絹織物問屋の5代目新井半兵衛が村民の要請に応え、ささら獅子と屋台の新調費の半額を負担し、残り半分は下影森66戸の村民の浄財によって寛政8(1796)年に完成したとされる。地元神社の大祭で、村内安全などを祈念して曳き、舞台を付けて歌舞伎も行っていた。

 近年は毎年7月末の地元の八坂神社例大祭で町内を曳き回していた。だが、保管場所の蔵が取り壊されたことなどから、曳き回しは中止に。安定した保管場所も確保できておらず、屋台の有効活用を模索している。まずは地元住民たちに屋台を見てもらおうと、お披露目会は企画された。

 組み立ては長年携わってきた棟梁の中村豊吉さん(71)を中心に実施。部材の痛みが目立ち、ブランクがあったこともあって手間取ったという。中村さんは「やはり屋台は1年に1回ぐらいは組み立てないといけない。補修が必要だし、組み立ての後継者も育てる必要がある」と語った。

 完成した屋台は極彩色の彫刻が美しく、影森太鼓連によって秩父屋台囃子も演奏された。同町会長の原嶋勝己さん(77)は「影森全体に呼び掛けて、価値観を共有できる人を集め、これからは屋台を曳けるように考えていきたい」と話していた。

最終更新:8/14(月) 10:30
埼玉新聞