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[社説]懲罰的損害賠償制、「3倍賠償」で優越者の横暴は根絶されるか

8/14(月) 11:53配信

ハンギョレ新聞

 公正取引委員会が13日、「流通分野の不公正取引根絶対策」を発表した。デパートや大型スーパーマーケットなど流通大企業の不公正取引を根絶し、中小納品業者を保護するためだ。納品業者に対する大型流通企業の横暴は、昨日今日のことではないが、法制度の不備と公取委の消極的対処のために容易に是正されなかった。公取委は流通業にも3倍の懲罰的損害賠償制を導入して、課徴金の基準を2倍に引き上げることにした。また、大型流通企業が販促行事に納品業者の職員を動員する場合、人件費の分担を義務化し、死角地帯にある複合ショッピングモールやアウトレットも規制の対象に含めることにした。

 今回の対策で最も目につくのは懲罰的損害賠償制の導入だ。懲罰的損害賠償制とは、加害者の不当行為が不道徳で反社会的である場合、一般的損害賠償の範囲を超える制裁を課すことであり、処罰的性格を持つ。公取委は大型流通企業の悪意的・慢性的不公正行為により発生した被害に対して、賠償金として被害額の3倍を課すことにした。納品代金の不当な値切りと不当返品、報復行為が対象だ。懲罰的損害賠償制は、大企業の中小企業技術侵奪などを防ぐために2011年に下請法で初めて導入された以後、個人情報保護法、加盟事業法、製造物責任法に広がった。

 財界の一部では、この制度が「二重処罰」だとして反発している。訴訟を煽り企業活動を萎縮させるという主張もある。しかし、懲罰的損害賠償制は一般的な不公正行為ではなく悪意的で慢性的な場合に適用されるという点で説得力に欠ける。それでも反対するのは“優越者の横暴”を継続しようということとしか見られない。むしろ賠償金の規模を3倍に限定したことで実効性に疑問を感じる。納品業者が懲罰的損害賠償を請求するには、契約の取消や取引の中断を覚悟しなければならない。十分な賠償がなされなければ実効性は期待できない。

 懲罰的損害賠償制のもう一つの目的は予防効果だ。巨額の賠償を通じて不法行為の反復を防ぎ、他の企業にあっても類似行為を犯せないようにするという趣旨だ。不当行為の誘惑を完全に遮断することだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は候補時期に「懲罰的損害賠償を最大10倍水準に強化して、優越者の横暴を根絶しなければならない」と明らかにした。懲罰的損害賠償制の趣旨を生かすには、賠償金の限度を大幅に引き上げなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:8/14(月) 11:53
ハンギョレ新聞