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多様性否定のメモがもたらした影響--グーグルの対応、さまざまな議論

8/14(月) 10:21配信

CNET Japan

 性別と多様性に関する議論を呼ぶ文書を執筆し、先週Googleを解雇されたエンジニアのJames Damore氏が、リベラル派と保守派が対話を行うきっかけを作りたいと述べたようだが、この点に関しては大いに達成されたと言っていいだろう。

 Damore氏は各種メディアに登場し、Bloombergと保守派とされるYouTubeチャンネルのホストを務めるStefan Molyneux氏とのインタビューに応じている。米国時間8月11日には、The Wall Street Journalに同氏が寄稿した論説「Why I was Fired by Google」(Googleに解雇された理由)が掲載され、同氏はこのなかで「オープンで率直な意見を黙らせようとした」としてGoogleを非難した。

 同氏はこの論説の中で「世界で最も優秀な人材を雇用するGoogleがどのようにして、イデオロギーに突き動かされ、科学的な議論や筋の通った主張に耳を貸さなくなったのか?」と語っている。

 この論説が配信される前日には、Googleの6万を越える従業員が全員参加し、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏が今回の件について議論を行う会議が開催される予定であった。しかし、Pichai氏は一部の従業員がインターネット上で嫌がらせを受ける懸念を表明したため、この会議を中止していた。この日の夜、Pichai氏はテクノロジ業界の若い女性にクローズアップしたGoogle本社近郊のイベントでスピーチを行った。

 Pichai氏はオーディエンスの若い女性たちに向けて「この業界には皆さんが活躍する場所があることを知ってほしい」と述べた。「Googleには皆さんが活躍する場所がある。誰にも反対のことを言わせない。皆さんの居場所はここにあり、私達は皆さんのことを必要としている」

 現在、シリコンバレーでは多様性に関する難問に直面しており、今回の件は全米で議論を巻き起こしている(Googleの従業員の69%は男性であり、技術職に関しては実に80%を男性が占めている)。また、この件の反動によりDamore氏は保守派の英雄となり、ある保守派の団体はクラウドファンディングのページを開設し、多額の資金が集まっているという。

 今回の多様性に関する文書の投稿をきっかけとして、さまざまな意見が出ている。

 Damore氏の論説を受け、元Uberのエンジニアであり、同社の社風と多様性の問題に関して一石を投じたSuzan Fowler氏も議論に加わった。Fowler氏は、この論説によりDamore氏が性差別主義者であり、多様性を否定していることが証明されたと述べている。

 一方、The New York Timesにコラムを寄稿する保守派のDavid Brooks氏はPichai氏に辞任を求めた。Brooks氏は「今回の件はPichai氏がリーダーに向いていないことを示した」と綴った。「保守派とリベラル派の集団が証拠を無視し、スケープゴートを殺す時代に私達は生きている。こんなときこそ優れたリーダーが必要だ」

 このように率直な発言が至るところで行われている。この問題は今後もしばらくは後を引きそうだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

最終更新:8/14(月) 10:21
CNET Japan