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100人に1人はいる「サイコパス」を見抜くには?

8/16(水) 19:30配信

TOKYO FM+

日本が世界に誇る各界の“知のフロントランナー”を講師に迎え、未来の日本人たちに向けてアカデミックな授業をお届けするTOKYO FMの番組「未来授業」。6月19日(月)の授業講師には、脳科学者の中野信子さんが登場! 21万部を超えるベストセラーとなった「サイコパス」の著者としても知られる中野さんに、最新の脳科学研究によって解き明かされつつあるサイコパスについて4日間にわたりお話を伺いました。

未来授業1時間目となるこの日の放送では、およそ100人に1人くらいの割合で存在すると言われているサイコパスとは一体どんな人格なのか……、まずは“サイコパス入門編”をお届けしました。

サイコパスと聞いてまず連想するのは、映画「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」に出てくるような極めて知能が高くて猟奇的な殺人を犯す人やシリアルキラー(連続殺人鬼)をイメージする人が多いのではないでしょうか?

しかしながら、中野さんは「そうとも限らない」と断言します。では、具体的にどんな基準で診断されるのかというと……、アメリカ精神医学会が作成した「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」によると、サイコパスという項目はなく、「反社会性人格障害」というカテゴリに属される人のことを指すのだそうです。

その大きな特徴として、「反社会性が高い、しかも共感性が低くて、相手が痛がる顔を見ても何とも思わない、または滑稽だと思って笑ってしまうような人格を持つ人のこと」だと中野さんは話します。

中野さん曰く、サイコパスは言葉がすごく巧みで、相手が何を欲しているのか見分ける能力、さらには相手が何をされたら痛いのか、何をされたら苦しいのか見抜くことに長けていて、飴と鞭を巧妙に使い分けて相手をコントロールするのだとか。
そんな危険な性質を持つサイコパスだけに、「真っ向から対峙しようとしても、太刀打ちできなくて取り込まれたり搾取されてしまう。そうならないためにも、サイコパスとうまく共存していく術がないか模索していく必要がある」と中野さん。

すべてのサイコパスが凶悪な犯罪に手を染めるのかと言えばそうではなく、犯罪を犯さないタイプも多く、人の事情や人の痛み、人の喜びや涙にまったく無関心、なおかつそれを利用するような素振りを見せる人が予備軍にあたるそうです。

「もしかしたら、あなたの会社の上司にそんな人がいるかもしれませんよ」と中野さんの口からは背筋が凍りそうな一言も。
でも、それはあながち大げさではなく「いたぶるように無理難題をふっかけてきたり、その人が自殺を考えるような状況に追い込まれているにもかかわらず暴言を吐いたり、やさしい素振りを見せたかと思いきや陰では裏切るようなことをしていたり……、相手が痛めつけられていく様を見て喜んでいるような人がいたら、その人はサイコパシー(精神病質)が高い」と言い、意外と身近に潜んでいる可能性についても示唆していました。

残虐な犯罪者に多いと言われるサイコパスですが、実はオーストラリアの大学の研究によると、大企業のCEOや政治家、外科医などにもサイコパシーの高い人が多いというデータがあるのも事実……。

次回、8月20日(日)配信の記事では、「あの人もサイコパス?」と題して、サイコパスについてさらに紐解いていきます。

(TOKYO FM「未来授業」2017年6月19日放送より)

最終更新:8/20(日) 14:59
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