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併売車種し転換し好発進の新型「カムリ」。その勢いはどこまで?

8/18(金) 8:42配信

ニュースイッチ

次は米国の“ベストセラー車”がピックアップに挑む

 トヨタ自動車が「セダン復権」を掲げて7月に発売した新型セダン「カムリ」の売れ行きが好調だ。発売から1カ月間の受注台数は約1万1500台と、月販目標である2400台の5倍に迫る。トヨタの新設計思想「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」の全面採用に加え、販売ネットワークを拡充した効果が出ているとみられる。今後はカムリの主力市場である米国での発売も控えており、好調な国内販売がどこまで続くのかが注目される。

 「格好良くて、走りもワクワクドキドキさせる魂のこもったクルマに仕上がった」。トヨタの吉田守孝専務役員は7月10日に開いた新型カムリの発表会でこう語った。カムリはトヨタのTNGAをエンジンや変速機などのパワートレーンも含めて全面採用した第1号車種となる。

 新型エンジン(排気量2500cc)にハイブリッドシステムを組み合わせ、燃費はJC08モードでガソリン1リットル当たり33・4キロメートルとクラストップを実現。重心を低くするなどして乗り心地も向上させた。国内生産は堤工場(愛知県豊田市)が担当する。

 トヨタは国内に4系列の販売店網を持つが、近年は複数系列で取り扱う「併売車種」を増やしている。現在、1系列のみで扱う「専売車種」はトヨタ店の「クラウン」、トヨペット店の「マークX」、カローラ店の「カローラ」、ネッツ店の「ヴィッツ」など。トヨタは4系列ごとに主力の専売車種を用意して系列の特色を出す一方、新型車を中心に併売車種も拡大している。

 カムリも従来はカローラ店の専売車種だったが、今回の全面改良を機にトヨペット店、ネッツ店でも取り扱いを始めた(東京地区はトヨタ店でも販売)。

 国内自動車市場が長期的に縮小に向かうことが予測される中、トヨタは国内販売150万台(16年実績は158万台)を維持する方針を打ち出しており、併売車種を増やすことで系列間の競争を促して、全体としての販売数量を確保する狙いもあるとみられる。

 一方、カムリは米国の乗用車市場では過去15年間連続で販売台数トップの主力車種。米国では原油安を背景にピックアップトラックなどに需要がシフトし、セダンをはじめとする乗用車の販売は減少している。トヨタにとって新型カムリの米国投入はまさにセダン復権をかけた戦いとなる。

 米国では17年1月の北米国際自動車ショーで新型カムリを世界初披露した。4月には、約1500億円を投じ新型カムリの生産に向けて米ケンタッキー州の工場を刷新すると発表。6月には燃費性能や希望小売り価格などを公表した。今夏の発売を前に、すでに“ベストセラー車”の投入に向けた話題作りを進めている。

最終更新:8/18(金) 10:00
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