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“A5ランク“の意味、理解してる?畜産農家を苦しめる消費者のブランド志向

8/21(月) 12:26配信

AbemaTIMES

(C)AbemaTV

 「牛肉はランクが上がっていくにつれて美味しい」「サシ=霜降りが多ければ美味しい。そんな「A5ランク神話」の真相を、AbemaTV『AbemaPrime』が検証した。

 今や「WAGYU」として、海外にも浸透し始めているブランド牛・黒毛和牛。今年4~6月の輸出額は、前年同期比で57%増と、成長を続けている。

 その格付けは「歩留り」と「肉質」で判断される。「歩留り」とは皮、骨、内臓を取り除いた後の「食べられる部分」の量で、A~Cの3段階で評価され、B、Cランクには乳牛も含まれる。また、「肉質」は、サシ(脂肪量)、肉の色沢、脂肪の色沢と質、肉の締まり・きめによって1~5の5段階で格評価される。このアルファベット(歩留り)と数字(肉質)の組み合わせがランクとなり、サシの多い「A5」に近い牛肉ほど高値で取引されている。

■ランクの判断の基準はあくまで見た目

 格付けを行っている日本食肉格付協会・青島正恭専務理事は「格付けは昭和36年(1961年)に始まっている。策定時に“こういうお肉がおいしい“という概念で作られているので、完全イコールではなくても、美味しさの基準になっていると考えている」と説明する。しかし、意外にも判定の方法は「厳しい試験をクリアした協会の格付員が見て決める。一切食べません」というのだ。

 青山氏が「おいしさは消費者が食べてどう感じるかという感受性の問題で、十人十色ある。極端に言えば100人100色。食品、特に肉については、必ず美味しいということはなかなか難しい。様々あると思うが、一般的な概念として、サシが豊富な方が美味しい、ということで規格は作られている」と話すとおり、ランク付けに「味」の基準はないということになる。判断の基準はあくまで見た目ということだ。

 「激安商品の落とし穴」などの著書がある農産物流通コンサルタント山本謙治氏は、「枝肉(頭部,尾,四肢端などを切り取り,皮や内臓を取り除いたあとの食肉)になった状態では締まりすぎているので、その時点で味の判定は難しい。また、格付ができた当初というのは、一般的にはサシが入っていた方が美味しいとされていた。だが、現行の基準ができてからもう20年以上が経っており、技術が進歩して当時の想定以上にサシが入るなってしまった。それが現代の悲劇だと思う」と話す。

 青島氏も、「牛肉の輸入自由化以降、安い輸入牛肉に負けないよう、生産者や官民挙げて皆さんで頑張った成果が今あらわれている。脂肪交雑(サシ)も非常に優秀なものが出回っている。家畜改良の中でも産肉能力が飛躍的に上がったことが言える」と、国産牛肉の高品質化が進んでいるとの認識を示した。

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最終更新:8/21(月) 13:07
AbemaTIMES